「I message」が言える環境は、信頼できる相手に囲まれ、安心できる環境と言えます。一方で「I message」が言えない環境は、常に受け身の姿勢になり、自分で考えていく思考も停止していきます。あなたは現在、職場で「I message」を伝えられていますか?言いたいけれど言えない、そのようにブレーキをかけている要因はどのようなことでしょうか?
I messageの重要性
あなたは職場で、「I message」を伝えていますか?
「私はこのように思いました」
「私は○○と考えています」
「私は△△と感じています」
「私はこんな気持ちになった」
I messageとは、「こうしたい」という行動だけのメッセージではありません。気持ち・考えを伝えることもI messageの一つです。
周りが言っているから、少し違和感あるけれど相手に合わせて…
上司の指示だし、言われた通りにやらないと怒られるから、何も言わないでおこう・・・
このようなI messageが言えない環境・関係性では、「やらされ感」や「自分が納得できないままで、周りに流されていく感覚」を持ちます。その場だけの短期的であれば、それでやり過ごすことはできるかもしれません。ただ、何度も何度もその状況が続くことで、日常化していきます。
すると、以下のようになってしまうことがあります。
✔以前は自分で考えて仕事を工夫していたのに、今は考えることもしない思考停止状態になっていく
✔ただ言われるがままにするだけで、受け身の姿勢が身についてしまう
✔いつもやらされている感覚になり、働く意欲も低下していく
✔指示されないと動けないようになり、能力の低い、スキルも身についていないと自己否定してしまう
本来は、自分で考えて物事に取り組む姿勢を持っていたり、ご自身の魅力・強みを活かした仕事の工夫をされていた方が、上記のようになってしまうことがあります。それは環境のせいかもしれませんし、ご自身が自ら壁をつくっているのかもしれません。
I messageは主張することではない
I messageを自分の主張を通すことのように考えている方もいますが、そうではありません。
I messageを自分の主張を通すことだと考えている方の思考は「Yes,but」の思考なのかもしれませんね。
「○○さんの言いたいことはわかる、でもね、私はこう思うよ」
このように「Yes,but」の表現をされると、対立的な主張のように感じてしまいますよね。
「Yes,but」ではなく「Yes,and」で捉えていくと、相手を否定することなく、ご自身の考え・気持ちを伝えていくことができます。
「○○さんの言いたいことはこうだよね、他には、私はこんな視点もあると思うんだ」
このように、プラスアルファのI messageを伝えることで、自己主張のI messageではなく、相手に聞いてもらいやすいI messageを伝えることができます。
上司と向き合うためのI message
仕事では、成果を求められます。目標達成など具体的に見える成果に対して、会社や上司は評価し、感謝されます。その成果を生み出したのは、スタッフ一人ひとりの仕事に向き合う姿勢や、チームで取り組む体制が上手くいったからこその賜物です。だからその成果の根底には、スタッフ一人ひとりの価値があってこそです。その価値の存在を認め、承認することで、個人の働くエネルギー値が高まり、自発的な行動へ向きやすくなり、成果もあらわれやすくなります。
ただ一方で、余裕がない企業・職場では、どうしても成果を起点として、成果を出した人を認める、承認することが多くなります。
何とか効率よく成果を出していくために、上司はあなたに叱責したり、指示したりすることも増えていきます。
すると、先ほどの
「上司の指示だし、言われた通りにやらないと怒られるから、何も言わないでおこう・・・」
という考えになってしまいがちになります。
指示された業務をこなすことは、もちろん大事ですがそのまま行うと、それは仕事というよりも作業になります。あなたなりの仕事の工夫・応用をして、仕事となります。上司も指示したことを正確にこなすことを求めていますが、それだけでは不満足に思っています。それはいつまでたっても言わないと何もできない、と考えてしまうからです。
だからこそ、I messageでご自身のことを伝えていくことが必要です。
「〇〇についてですが、私は△△を加えるともう一つクライアントに良い提案ができると思うのですが、ご意見いただけますか?」
このように、ご自身の視点が入る仕事の取り組み方をする姿勢は
- 前向きさ
- 自主性
- 意欲的
を感じてもらいやすくなります。
仕事に対する前向きさや自主性を感じると、上司からすると嬉しいことですよね。部下の仕事に対する意識の成長などを感じ、関係性も良くなっていきます。
でも、これは本来、ご自身の中にある魅力をI messageで伝えられなかったために感じてもらえなかっただけかもしれません。
だからこそ、I messageを伝えることは必要であり、I messageを伝えることで、人間関係の改善という魅力ある方向へ進んでいきやすくなります。
I messageは信頼関係構築のための良い魔力になる
あなたは最近、I messageを伝えていますか?
I messageを伝えても、言い訳をしている、口答えしているという認識をされるのであれば、それはあなたが「Yes,but」でI messageを伝えているからかもしれません。
上司の意見・指示を承認しつつ、「Yes,and」の気持ちでI messageを伝えるだけで、受け取り方は異なりますよ。
それだけ、I messageを伝えることは、魅力であり、信頼関係構築をするための良い魔力になります。
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