今の生活をより良くしたい、子供に満足いく教育をさせたい、そのような想い、欲求はよくあります。ですが、もっと!もっと!を繰り返すことで、焦りを感じたり、背伸びをし過ぎて疲れてしまうことはありませんか?焦りや疲れは、あなた自身の心の豊かさを削ってしまいます。あなたの心の豊かさを削ってでも手にしたい欲なのか、一度立ち止まって考えてみることで、あなた自身の「足るを知る」ことができることがあるかもしれません。
満足することと豊かになることの違い
私たちは現在、消費社会の中で生活しています。流行のファッションを着こなしたいし、好きなモノに囲まれて生活することで、心が満足する日々を過ごすことを心がけている方も多いのではないでしょうか?
心が満足することと、心が豊かになることは少し異なります。
心が満足することは、その一瞬、一時の出来事です。買いたいものが買えた、行きたい場所に行けた、その一時の満足感です。その場その場では満足しますが、継続はしないので、次、次…と、今度はあれが欲しい!、もっとこうしたい!、という欲求が次から次へと出てきます。
一方で、心が豊かになることは、継続的な事柄です。気持ちの安定感・余裕さを感じる状態が続いていることです。豊かさを感じる軸がしっかりあるため、次から次の欲求がなくても、納得感ある豊かさを感じることができます。
今のあなたは心が満足すること、心が豊かになること、どちらのことをしていますか?
足るを知ること
足るを知ることとは、「すでに十分満たされていることを知っていること」を意味します。十分満足した状態とは、豊かさを意味する、と私は考えています。なぜなら一時の満足ではなく、継続的な満たされ感は、安心感・安定した状態だからです。
そしてその状態であることの違いは、
「他人の視点から自分自身をみているか」
「自分の視点で自分自身をみているか」
前者が常に何かを得たいという気持ちに走る傾向にある方であり、後者は自分自身の足るを知っている方と言えるかもしれません。
他人の視点から見た自分とは
他人の視点を気にすると、あれが足りていない、これを身に着けたいという欲望の妖怪に取りつかれてしまいやすくなります。
「それらを手にすることで、自分自身がどうありたいのか」
ということが明確にあれば、それは自己成長の糧につながります。
無理に自分に合わないものを身に着け、学び、例えそれらを得ることが達成しても、その満足は一瞬で終わります。いつも何か満たされない、いつも何かが違う…、そう思いながら次から次へと手を出していくようになります。外側の満足感は得られるだけで、まるで良い仮面をかぶったけれど、いつも内面は満たされていない気持ちになってしまいます。
私は仕事をしている中で、
「何か資格を取得して、○○の専門家を堂々と言えるようになりたい!」
そのようなキャリア相談を受けることが多くあります。その多くが、周りと比べてこれといった専門と言える経験を得られていない、という不安から起きていることです。
「その資格を取得して、どのようなことをしていきたいのか」
ここがはっきりしなければ、資格を取得できても物足りなさは感じてしまいます。資格マニアのように何でも取得する傾向にある方は、取得しないと不安な状態が続いてしまっている方もいるかもしれませんね。
自分の視点で自分自身をみること
キャリア相談を受けている中で、とても魅力的な要素がある方でも自分の強みがわかりません、とお話される方がいらっしゃいます。その原因の多くは、
- 何か1番になるものでないと強みと言えない
- 専門的な要素がない自分は、魅力的ではない
と考えている方が多いのですが、強みとは周りと比べてどうだ、というものではありません。
あなたが、今まで経験してきた中で、得られた知識・スキルをどのようにご自身なりに工夫して仕事に取り組んできたか、その工夫があなた自身の魅力や強みになります。
工夫とは例えば、先読みして資料を揃えておく気遣いや、複雑な物事をわかりやすくマニュアル化させていく整理力などです。それらの要素は、あなたが幼少期から現在までの生活環境や教育環境の中で、培ってきた当たり前にやること、自然にできるようになっていることです。
その要素は、あなただけの仕事の工夫の仕方になります。どれだけ営業マニュアルが整っている企業であっても、営業カラーは一人ひとり異なりますよね。そのカラーが仕事の工夫の仕方であり、あなたの個性です。
その個性を認識し、強みだと自信を持てるようになることで、周りと比べることをする必要がなくなります。「周りは周り、私は私」と自分自身に焦点を当てた考え方に変わります。そうすることで、自分にとって本当に必要なことは何か?と考える視点に変化し、周りの流行り廃りに左右されずに、本当に自分に必要なことだけを得ていくことができます。余計なものを得る欲求はなくなり、常に自分自身に問いをして、自分自身の中にある答えを見つけるようになります。
心身ともに豊かに生きていくために
足るを知ることは、等身大のあなた自身に問いをし、あなた自身で答えを見つけていくことです。周りと比較することでもなく、周りよりも優れていないといけないわけではありません。
時に欲深さは、大きな背伸びをしている状態で毎日を過ごすことになり、緊張感や疲労感で行き詰ってしまいます。体調を崩したり、気持ちが不安定になってしまっては元も子もありません。
あなたにとって豊かなこととは何か、に向き合ってみることで、その欲求は本当に必要なことなのか、もしくはもう十分満たされている状況なのか、気づくことができるようになりますよ。
オススメの関連記事
仕事人生設計における「自分軸」と「選択肢」|キャリアカウンセリングを受ける前と受けた後の感想まとめ