最近、キャリアカウンセリングに来られる20代の方に、ある共通点を見つけました。それは、20年後、30年後の自分の姿に不安視していることです。いつまで活躍できる自分でいられるのか、数社転職を重ねることでデメリットになることは何か?働く上でどこの会社に身を置き、経験を重ねることで自分にとってより良いキャリアを築いていけるのか、真剣に考えているからこそ、不安になりますよね。
なぜ先々の未来を不安視してしまうのか、その原因を探りながらより良いキャリアを築くためのヒントをまとめてみました。
未来をハッキリさせたい転職者たち
転職相談のキャリアカウンセリングの場では、よくこのような質問をされます。
僕らが定年を迎えるときって、きっと70代くらいですよね。年金をもらえるかどうかもわからないから働き続けることを視野に置いています。
でも20代や30代のように活躍できる働き方って定年前ではできないじゃないですか。
じゃあ、今からどのような仕事に就けば、60歳や70歳でも活躍できる僕でいられますか?
20代前半の方が、30年後、50年後の未来を真剣に想像している姿に驚きます。私の時代は、数年先の未来を考えたことはあっても、何十年も先なんてぼんやりとしか考えていなかったような気がするからです。
ぼんやりと考えることがダメ、しっかりきちんと考えないといけないという風潮が20代にはあるのかもしれません。
次は失敗したくない想いが強い転職活動
将来に対する不安は、一言で結論づけると「深く考えすぎだ」と言えます。でも本人からすると大事な悩みごとです。だから、この悩みが生まれたきっかけから考えていきたいと思います。
履歴書を汚したくない、良く魅せたい、という想いは、周りから良く見られたいという気持ちが強い表れです。現在の自分を少し背伸びしている状態です。
一方で、何歳まで現役で活躍できる自分でいられるのか、営業経験を積んで50代はどのような仕事があるのか、という想いは若さで乗り切る以外の術を知りたい、そんな仕事に今から就きたい、という想いが強い方たちでした。
お話しをしている中で感じたことは、「失敗したくない」という想いが強いことでした。
✔いざ転職してみたものの、上手くいかなくて数年で辞めてしまうことがないように、転職先の選び方を失敗したくない
✔転職を繰り返してしまうことで、ゼロからのスタートで何も成長できていない遠回りしている自分がイヤになる。だから次こそ失敗したくない
✔数十年先の未来を考えて、少しずつでもしっかりキャリアを築いていきたい、そのための転職選びの最初の段階からつまずきたくない
失敗したくない、遠回りしたくない、つまずきたくない、これらはすべて、「他者と比較して考えてしまう自分」です。
✔他者と比較してしまうから
✔自分だけいつも上手くいかない
✔自分だけ何だか空回りしてしまっている
✔自分だけ思うようにモノゴトが進んでいかない
そのような考えの深い闇に落ちてしまうことが多いのです。
他者と比較することを辞めて、自分自身のより良いキャリア(人生)を築くためにはどうしたらいいのか、という自分視点になることで、今までの悩みが考えすぎだったことに気づくことができます。
自分に視点を置くことで今やることが明確になる
自分視点でモノゴトを考えていくことで、今までの悩みの答えも変化していきます。
●履歴書を汚したくない
→履歴書は現在までの自分自身のこと。過去は変えられないけれど、今までの経験を活かして成長できる次の場所を探しているのであれば何も問題はないのではないか
●今からどのような仕事に就けば、50代、60代でも活躍できる自分でいられるのか
→現在の自分自身から、様々な経験を経て年齢を積み重ねることで50代、60代になっていくもの。毎日の努力の積み重ねの深さで、良くも悪くもなっていく。だから現在あるべきことをやり続けることが必要になっていく
●営業をしていた人たちは50代になったらどのような仕事をしているのか
→営業経験を積むことで部下を管理するマネジメント職になる人もいれば、営業経験を活かして田舎の地方創生プロジェクトに参加することもある。それはそれまでの営業経験がどのような経験を積んでいくかで変わっていくもの。だから将来を不安視するよりも現在をどのように動くかが大事になっていく
自分視点に変わることで、今現在の行動次第で未来が変化することに気づきます。
未来は今の積み重ねでできることです。何も動かなければ、積み重ねていなければ未来は今と変わらないかもしれません。
スマートなキャリアは振り返って気づくもの
失敗なく何でもスマートにキャリアを積んでいる人を、私はみたことがありません。
プロスポーツ選手でも、けた外れの練習を積み重ねています。幼い頃、友達はゲームや遊びに夢中になっていたとき、一人で練習に明け暮れています。部活の時間だけ練習して、友達と同じようにゲームに夢中になって、プロスポーツ選手になれた方って知りませんよね。活躍している人ほどスマートにキャリアを積んでいるように見えますが、それまでに至るまで貪欲に努力をしています。
努力して積み上げた先に、振り返って考えたとき、「あの時のあの経験」「あの時のあの努力」がターニングポイントだったりします。当時は苦しく辛いこともあったかもしれません。でもあの時とは振り返ってみないとわからないのです。
例えば、学生時代の部活の経験で言えば、粘り強さとか、継続する力・チームワークの大切さなど、スポーツ技術だけでなない、見えない力があなたの中に備わっています。それは社会人になった現在でもそれらの経験を活かした行動・考え方をしていませんか?
それらも全て、「あの時のあの経験」で得たあなた自身の魅力です。
スマートにキャリアを築いているように見える人は、過去の自分を振り返ったとき、「あの時のあの経験があったから」と自分自身に納得できるキャリア(人生)を築いている人です。
10年後の未来を無理に決めなくてもいい
よく10年後の未来を想像して、そのために課題を乗り越えていく方法も見聞きしますよね。これは、目的や期限が決まっていてそのために逆算思考でやらなければいけないことを考えていく手法なので、なりたい自分、こうありたい自分が明確であれば最適な方法です。
でもほとんどの方が、10年後の未来はボンヤリではないでしょうか?
若しくは、こうなりたい!ということは明確ではなくても、これはイヤ、こうなりたくない、という否定的なことなら見つかりやすいかもしれません。
このような考えの方の場合、私は無理矢理10年後の目標はつけなくてもいいと思っています。それは現時点では見つかっていないだけの話しだからです。だからその目標を見つけるために、未来に不安視するのではなく、現在、今できることをしていき、毎日自分自身の中で納得できる充実した日々を過ごしていくことで、なりたい自分、ありたい自分の姿が見えてくるようになります。
現在、もしあなたが未来に不安視をされているのであれば、一度未来ではなく今これからの自分を考えてみませんか?今から進む一歩の動きが先の未来へとつながっていますよ。
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