吉本興業の代表である大崎洋社長と、ビリギャル著者である坪井信貴氏のトークイベント「才能の正体」に参加してきました。日ごろからNewsPicsは見ていたけれど、イベント関係は毎回東京。だから、大阪でイベント開催するというメールが届いたときは、イベントの内容を深く読まずに申込むという、はじめはそんな軽いノリでした。
でも大崎社長が講演することは珍しい。それに、心理学に裏付けされた教育法をされている坪井氏の教育・キャリア論には興味がある!そんな期待を持って会場へ。
期待はあたたかく裏切られ、予想を超えた実のあるイベントでした!
関西弁を話さない子どもが増える?
大崎社長の自由過ぎるトーク
そのトークを絶妙なタイミングで要約する坪井氏
才能の正体のくだりは一切なく進むトーク
その話しの中で、衝撃だったことの一つがこちら。
「Youtubeを見ている幼児は、関西弁を話さなくなっている」
確かに言われてみれば、見ているyoutubeの内容が英語や標準語であれば、その環境に馴染んでいくことは自然なことだと思う。
だって環境によって人は創られるから。
大人になれば、どんなに環境が劣悪でも、信念をもって取り組むことが大切だ、という人もいるけれど、
以前にキャリアコンサルタントの資格勉強をしていたとき
理論家のK・レヴィン提唱した「場の理論」では
「人間の行動は個人の特性とその人を取り巻く周囲との相互作用だ」
つまり、環境によって大きく相乗効果は左右されていく、と言われている。
そんなことをふと思い出した。
ひと昔前の日本TVという枠を超え
現代は世界の著名人から一般老若男女問わず見れる時代に変化している情報社会。
今では、情報は誰でもいつでも平等に手に入れられる。
それを探し見つけ出している人と、情報を得ようとしない人の差はこれから顕著に出てくる。
それは単に物知り、物知りじゃないというレベルでははなく、きっと生活・収入・生き方にも比例してくるのではないか、と私は思いますね。
スクリーンにあらわれる質問は日本人好みだと思う
次は、イベント中に気になったことについて。
トークしている間に、質問したい人は質問を投稿すると、スクリーン上に質問があらわれる仕組みになっていたんですよね。
- 才能の正体の話しについて
- 子どもの教育について
- 大阪万博について
- 日本・大阪の文化について
など、本当に様々な質問が投稿されていたんですよ。
その積極的な質問を見ていると、単純に大阪開催だったから参加した楽観的な私とは異なり、真剣に聞きたい意欲に溢れた人たちの集まりなんだな、と薄っぺらい参加意識に恐縮してしまった私。
何となく質問を見ていると、実はこの質問投稿がスクリーンに映し出されることは、日本人にとって質問しやすい手法の一つだと思ったんですよ。
- 誰が質問したかわからない
- 声を上げて質問することは恥ずかしさがある
- でも聴きたい内なる気持ちは強い
そんな気持ちが隠れているから。
途中で飛び入り参加されていた広井王子氏が話していた
「もっと失敗したらいい、失敗が許されない社会になった」
と言われていたように、何かを聞きたい、知りたいという声を上げることも、失敗や恥ずかしさがよぎってしまうんですよね。
- しょうもない質問だと思われたらどうしよう
- 知識が足りないと否定されたらどうしよう
- 周りからもっと他に聞きたいことがあるのに!と思われることがイヤだから質問できない
そんな周りを気にする、気を遣い過ぎる、恥ずかしさや積極的になれない原因の一つは、義務教育だと言われています。
正解を知っている人は挙手できるけれど、正解を知らない、わからない、間違っていたら恥ずかしい、そんな気持ちの人は挙手できないし、挙手を躊躇してしまう。
20代の若い世代からキャリア教育が始まり、変化しつつありますが、NewsPicsイベントに来る人達は、正解を求める教育を受けてきた世代がきっと多い。
だからスクリーン上に映し出される質問形式は、質問しやすいんだろうな・・・
と思っていたら、スクリーン上の質問はスルーされて、まさかの挙手制質問に^^;
ってなると、誰も手を挙げないんですよ。
あれだけ質問があっても、そりゃそうですよね、それが今までの日本の文化のようなもの。
広井王子さんもそのことを指摘しだすと、徐々に上がる質問の手。
質問されていた人たちは、やっぱり年齢も若い。純粋で、真剣なまなざしがわかる。
正解を求められ過ぎてきた私たちの世代は、正解にこだわらない、失敗を恐れない積極的な経験を積んでいく必要がありそうですね。
私も躊躇してしまうタイプなので。
でも、その積極的な経験は、きっと必然的に多くの情報を得ることになる。
多くの情報を手に入れることは、これから生きていくための大切な種になるから。
3名の共通点
お堅いトークイベントだと思っていたけれど、大崎社長の自由過ぎるトーク、坪田さんの大崎社長を柔らかく包み込むあたたかなトークは、終始和やかなムードでした。それに飛び入り参加した広井王子さんの絶妙な話しの切り口。
この全く違うタイプの3名のトークの中には、ある一つの共通点があったんです。
それは、「人のつながり、従業員を大事にする」、ということ。
「才能は第3者から見出される」
と話されていたように、人のつながり、従業員を大事にしているトップの周りには、才能が花開きやすいのかもしれない。
だって人は環境によって創られるから。
その環境の中で育つと、内に秘めた個性が開いていきやすい。
すごく人情味を感じられるあたたかなお三方でした。
参加してみて改めて気づいたこと
個人は失敗を恐れずにチャレンジしていくことが必要だし
企業は個人から選ばれる時代になっている
企業が個人から選ばれるためには、「どれだけ従業員のことを大事にしているか」という精神的安定・安心を求めていると、最近ヒシヒシと感じていた中、今回のイベントに参加して確信した。
従業員を大事にしていないといけない、というのはただ残業時間の減少や休日の増加という条件面を指すのではなくて、
従業員を大事にしている環境は、従業員の個性・能力・才能を引き出しやすくさせる。
それは、従業員が自身の能力を活かし働けることにつながり、その働きが周りから認められることで自信になる。
そんな自信を持って働ける環境に人は身を置く。
坪田さんが最後に話されていたことば。
あなたと一緒に働き過ごした時間を幸せだと思える企業をつくっている
その環境づくりが才能を創っていくんだ、と。
なんだか、今の私の仕事にリンクしている。
当初、「才能の正体」は、子どもの教育面が強いのかと思いきや、思いっきり現在の私の仕事領域に当てはまる内容で、良い意味で予想を裏切られた人情味を感じたイベントでした。
サイン本も購入!坪井信貴著書「才能の正体」
NewsPicsは来年から、大阪開催イベントも増えるようなので、楽しみです。