名刺を企業の資産に変えるSansan株式会社主催のSansan Workstyle Summit 働き方2020に参加してきました。建築家 安藤忠雄氏の講演「感性を磨く」は企業内キャリアコンサルタントを仕事としている私には興味ありのテーマ。パネルディスカッションも大変興味深い内容でしたが、驚いたことはアンケート集計の結果でした。「個人の時代」と言われている中で「働き方」をどのように考えているかがリアルにわかり、思いがけない収穫だったキャリアコンサルタントのつぶやきごとVOL.14。
組織と個人、どちらの働き方に興味がある?
今日のイベント参加時におこなったアンケートの項目の一つ。巷では、「好きを仕事にする」「自分らしい働き方」などのキーワードが溢れていますよね。今は企業勤めであっても、未来は個人の働き方について考えている人が多いのだろうな、と考えていました。
ところが、結果は・・・
「組織の働き方に興味がある」
が圧倒的に多かった!!
名刺を企業の資産に変えるSansan株式会社主催イベントなので、企業で働いている方が多かったせいなのか、意外な結果に。大阪という地域性もあるのかな。
世間で騒がれているほど、個人の時代ではなく、まだまだ組織で働くことの需要は多いのだな、と感じた瞬間。
もちろん、私も、「個人が組織の中で個性を活かす働き方」についてヒントを得たいなと思っていたので、組織の働き方に一票。
意外に読まれていない「LIFE SHIFT」
ハーバード・ビジネス・レビュー読者が選ぶブックランキング2017年に1位になったリンダ・グラットンほか著「LIFE SHIFT」。「他の人に薦めたい本」「後世に残したいもの」として投票された結果、堂々の1位に!働き方改革や人生100年時代という単語も、このころからメジャーになりましたね。
80歳程度の平均寿命として考えた教育・仕事・引退の3段階のライフコースを見直さなければならないということ。今まであった概念が変わる老若男女問わず読み応えのある1冊です。
2017年には政府が掲げている有識者会議「人生100年時代構想会議」に、リンダ・グラットン氏を有識者として招いています。
それだけ働き方について様々なところで話題になっているので、きっと多くが読んでいるだろうと思っていました。でもアンケート結果は、聞いたことはある、読んでいない、という方が7割超えていたかな。結構意外な数字でした。
AIを活用することについてどう思う?
そしてもう一つはAIについて。以前なら、人間のやることをロボットに奪われてしまう恐怖や不安を持っている方もいましたが、今回のアンケートでは、圧倒的に「積極的に活用すべき」でした。これだけスマホの進化やクラウドの手軽さを味わうと、恐怖や不安よりも活用することの手軽さ、身軽さが勝つんでしょうね。
2012年にオックスフォード大学のフレイ博士とオズボーン准教授の「オックスフォード・レポート」が世の中に出たときに、「今ある約半数の仕事が15年で消滅する」と発表されていました。厳密には、今ある仕事の形が変わる、で消滅するとは言っていないようですが、世の中に出た途端に、「これから無くなる仕事リスト」など、読み物としてキャッチ―に取り上げられるようになりました。
仕事がなくなる不安とどんどん進むAI、ロボティクス化。でもオックスフォード・レポートから5年経った今、深刻な人材不足におちいっています。本日のパネルディスカッションの中、総務省試算(2015-2030年試算)でこのようなことを発表されていました。
- AIや機械化で奪われる(かもしれない)労働者の数 ▲735万人
- 同期間に減る労働者人口 ▲909万人
数字で見ると労働者人口が足りなく、誰もが働いているだろうと思うかもしれません。でも、健やかな気持ちで豊かなキャリアを築けているかと問うと疑問は残るかもしれません。
それは今現在でも、個人が組織の中で個性を活かす働き方ができているかと聞かれると、疑問視する方が多いからです。AI化が進むことで、自分の個性を活かすことができるか、コスト面でAI化する必要がない仕事、つまり誰にでもできる簡単な仕事だけをするようになるか2極化は確実に進んでいきます。
自分の得意を仕事に活かして新しい働き方を見つけることについて、過去記事があります。
健やかに豊かなキャリアを築きたい方は、ぜひ読んでくださいね!
最後に、アンケートだけでなく、当初から興味を持っていた安藤忠雄氏の講演も聴きごたえアリでした!「感性を磨く」をテーマに笑いありで始まり、動く安藤忠雄氏を初めて見てテンション上がってしまいました。お話しされていた中で様々なキーワードが出ていましたが、印象に残った言葉はこちら。
「青いりんごのまま生涯を終えたい」
成熟したりんごでなく、成長し続ける青いりんご。可能性は自分の心の中にある。可能性を活かすためには成長し続け行動し続けることなんだろうな。幾度となく持続力というワードが出てきたことも印象的だった。
人生100年時代、個人が組織の中で個性を活かす働き方ができるように、企業内キャリアコンサルティング支援をしていきたいな、と改めて感じた日でした。
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