即戦力を採用しても結局長続きしなかった経験はありませんか?未経験者だと、採用して教育しても、多くの時間とコストをかけることができないから即戦力を採用したい、と考える企業は多いです。抱えている業務負担を埋めてくける人材、最低限のビジネスマナー・同業界経験があればいい、などを考えますよね。
でもビジネスマナーにしても、同業界の経験にしても全国共通の考えや行動がぴったりハマる型があるわけではありません。企業は今の業務負担を埋めてくれるピースが見つかったと勘違いしてしまうことから、実は採用者の離職への道が進んでしまっています。
即戦力を採用し活躍してくれる人材を求めているなら、勘違いに気づき、改めることで、本来描いていた活躍する即戦力に育っていきます。
早期離職されないために心がけたい3つのこと
企業は、せっかく採用したのだから、スキルも能力を活かして欲しい、企業に新しい風を吹かせて欲しいと期待します。即戦力採用したのであれば、その想いは強くある反面、なぜか離職になるケースも多い。それは採用の時点で、採用後のフォローを「即戦力だから…」という理由をつけておろそかにしてしまったことが原因です。その原因は主にこの3つです。
- 採用後の「まずやってみせて」「お手並み拝見」という放任期間を設けてしまった
- 即戦力採用と言ってもあなたの企業の即戦力にはならない
- スキルは一人前、メンタルはゼロスタート
スキル・能力を尊重するという放任主義
経験者や即戦力を採用する企業のほとんどが、ビジネススキルを教える必要性が省けるから、当たり前の業界用語を教える時間が省けるから、という理由で即戦力を求めます。つまりビジネスの基本、業界の基本を知っている、身についていることが前提とされていますが、基本を知っているからと言って、その基本が全国万人共通ではありません。
スポーツに例えてみると、Aさんが学んだサッカーの基礎知識・練習と、Bさんが学んだサッカーの基礎知識・練習は異なります。それぞれ得意なフォーメンションも違えば、練習するうちに自分なりの考えやクセを持つようになります。
個人が持っているクセという経験を、企業は今までにない新しい幅の拡がりを見せてくれるかもしれない、という期待を持ちます。
だから
という放任主義の期間を設けてしまいます。スキル・能力が活かせる環境を与えていると思いがちですが、企業の方向性を示さず自由にやってという期間を与えるほど、離職率が高まります。スキルや能力は高くても、企業の方向性や考え方とは異なるからです。
放任期間を設けても、すぐに
と思うようになってしまうのです。
中途採用離職率は大学新卒離職率の1.5倍~2倍になる原因はここにある
放任期間が過ぎ、スキルや能力よりも、従業員のクセばかりが見えるようになると、今度は放任から干渉・統制をとるようになります。従業員からすると、自由さが奪われてしまうのです。
と考えるようになり、離職を考えてしまうことがあります。
これは、放任期間を設けてしまったことが原因です。
「まずは自分のやり方で自由にやってみて」
という放任・自由さを強調するだけでなはく、組織の理念や方向性の上でおこなうことが必要です。
組織の理念や方向性について、話しているつもりでも、従業員はスキルや能力を尊重された放任・自由さを主張することが多いです。結果がでない短期間の間に自由さが奪われ、干渉・統制をされてしまうことにストレスを感じていきます。
まずは採用するとき、また採用後すぐに、方向性の確認をじっくり確実におこなうことが大切です。放任・自由さと、干渉・統制のバランスを上手くとっていくと歪みは生まれにくくなります。
スキル・能力は一人前、メンタルはゼロスタート
今までのビジネス経験で、ストレス耐性が強いという方もいるかもしれません。でも新しい環境、新しい人間関係の場では、いつもメンタルはゼロスタートです。
スキル・能力は一人前だから、一人でもできます!と言っていても
周りから頼られることは嬉しいと感じるし
でも時には誰かに頼りたいと思う時もある
隣の人を見て自分も頑張らないとと奮起するときもあれば
自分の仕事の姿勢が周りに良い影響を与えればいいとも思う
雇用されている従業員の心の奥底には、共に支え合い、助け合いたいという気持ちがあります。それはどんな即戦力でも、何でも一人でさらっとこなしてしまうスーパーキャリアな従業員の方でも、雇用され組織の中に属しているからこそ、メンタルのつながりは必要なのです。
例え、同じ職種で同期採用がいなくても、数ヶ月以内に入社した近い存在がいる、自分と同じゼロスタートに近い存在がいることは心強いですよね。仕事は違えど切磋琢磨している姿をお互い確認することで奮起したり、グチを聞くという相談というフォローし合うことで、抱えているストレスが消えていくことがあります。
同期や近い存在がいないのであれば、最低限のメンタルフォローは企業がしていかなければいけないですよね。採用当初から実力を見るために放任期間を与える、メンタルフォローもしない、では雇用している意味もなくなってしまいます。
中途採用の早期離職は、企業の思い込みから始まっています。
- 即戦力の従業員には良かれと思って放任期間を与えていたが、企業の考えとは違うので干渉・統制するようにした
- ストレス耐性が高く意志もあるので、あえてメンタルフォローをする必要性はない、それは本人自身でおこなうものだ、と思っていた
中途採用の離職率を下げていくには、組織に属しているのだから、個人の個性を尊重しながらも、組織の方向性に合ったやり方で、組織の一員として認めていくことが大切です。
あたらめて中途採用の採用の仕方を考えてみませんか?
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