私自身、この認知の歪みが一番当てはまる「~すべき思考」。「上司なら、社長なら、〇〇できて当たり前だ!〇〇するべきだ!」というように、自分で考えた基準値が周りも当然当てはまるだろう、という思い込みです。目上の人なら、自分よりも知識があって当然だろう、何で私が目上に教えないといけないのか、それはおかしいだろう、と思っていた会社員時代。認知の歪みに気づいてからは、自分の基準値は周りと同様ではない、多様性というワードなど気にするようになりました。
この記事では「~すべき思考」をお持ちの方に、気を付けてもらいたいことをまとめてみました。
業界の常識は世の中の非常識
「業界の常識は世の中の非常識」この言葉よく聞かれますよね。私が新卒で入社した広告代理店では、1日100件のテレアポすることが必須でした。周りの広告代理店でも同様で、広告代理店の営業なら常識でした。でも周りを見渡すとテレアポしなくても新規獲得できる手段があったり、件数よりも質を求める電話対応をされていたり、様々です。
ですから、転職してはじめてその業界ならではの常識だという事に気づいたりするんですよね。そしてその経験は、自分の価値観の一つとして構築されるので、「自分ができることは、周りも当たり前にできるはず」、という考えに捕らわれてしまうのです。
自分に厳しく、他人にも厳しい
「こうしなければいけない」
「こうあって当然だ」
「上司なら、社長なら知っていて当たり前だ」
という、自分の価値観や基準を相手にも押し付けてしまいがちになることが、このタイプです。もちろん自分自身にも厳しいし、同時に周りにも厳しい基準を強いることがしばしばあります。
自分も知っているし、できていることは、目上は簡単にやれることが当たり前だろう。なんで経験値も高い、役職も上の人が、こんな当たり前にやれる時短テクニックを知らないのだろう…。
厳しい環境での経験が多い程、自分に厳しく、他人にも厳しくなってしまいがちです。常に上司を見本にしてきた環境であれば、尚更この考え方は根強い傾向にあります。仕事を通じて教わったことは、世間一般の常識を学んでいるとインプットされているのです。それが業界若しくはその企業ならではのやり方やルールだとは知らずに…。
人は育った環境も違い、家族や学校、友達との関わり合いの中で、考え方や価値観が形成されていきます。甘いものが好きな人もいれば嫌いな人もいます。自分自身が甘い物が好きだからと言って、周りの人も全員好きだとは限りませんよね。これと同様に、自分の基準値が相手も同様だということは、当てはまらないという事です。
「自分が当たり前にできていることは、相手にとっては当たり前ではない」
近年では、多様性を認めることもよく聞きます。認知の歪み「~すべき思考」は、この多様性と真逆の傾向です。すべき思考は一つの価値観の中で成り立っているもので、多様性とは様々な価値観を認める環境下にあることを意味しています。
過去に多様性について書いた記事がありますので、詳しくは過去記事をご参考ください。
多様性の誤解。何でも違いを受け入れることではない、本来の多様性の定義とは?
自分にも他人にも厳しくなりがちな認知の歪み「~すべき思考」。自分の基準値を周りに押し付けていた過去を思い出します。もっと多様性を認めていれば、気持ちもラクになっていたのではないかと思います。もっと周りの価値観を聴き、周りを頼ったり、頼りにされることが大切だと、キャリアコンサルタントになるために勉強することで、気づいたことです。
何でも自分が、価値観の押し付けではなく、完璧を求めることより補い合うことが大事なのだと、今はそんな気持ちに変化しています。
あなたはこの「~すべき思考」に思い当たることはありませんか?
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