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仕事は我慢や忍耐ではなく、満足でありたい|20代からの自分らしいキャリアの築き方

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マズローの欲求5段階説

マズローは、人間の自己実現を研究対象とした「人間性心理学」にて、欲求の5段階説を説いた有名なアメリカの心理学者です。人間の欲求は、下記のような5段階のピラミッドのような構成で、低階層の欲求が満たされると、より高い層の欲求を求めると言われています。

5段階欲求staff

それぞれの階級に合わせた労働者意識が上記右側の表です。就職1年目~3年目は生理的欲求や安全欲求の考えの位置にいるスタッフが殆どではないかと思います。

ヒトが生きていく上で基本的・本能的な生理的欲求(食べたい、飲みたい、寝たい、など)、安心・安全な暮らしがしたい安全欲求(住む家・健康)を満たすために、働く=生活のため、お金を稼ぐため、家族との暮らしを安定したいから、という理由は当然ありますし、もちろん大事なことです。

 

近年はそれに加えて、働くことにおいて各ステージには、「意味・価値の欲求」も求められていると言われています。働くことの意味や必要とされている価値を見出すことができない場合、どれだけ安定な収入を得ても、欲求が満たされていないと感じてしまうこともある、ということです。

必要とされている価値とは、尊厳欲求とは少し異なります。尊厳欲求は周りから目に見える役職や表彰を意味します。ここで言う「必要とされている価値」とは、日々感謝の気持ちをかけ合うことや、サポートする、されること等、目に見えにくい部分になります。ヒトとヒトとの思いやりや支え合い、といったところでしょうか。

 

ですから、安全欲求の段階でも、目に見える収入面の安定を提供している経営者側と、目に見えずらい必要とされている意味や価値が満たされていないと思うスタッフ。この考えや価値にギャップが生じることが、離職に至る理由の一つであります。

 

【補足】マズローは晩年、5段階の階層の上にさらにもう一段階「自己超越」があると発表しています。自己超越とは、見返りを求めることなく、エゴもない、自我を忘れてただ目的のみに没頭している状態で「目的の遂行・達成だけを純粋に求める」領域を意味します。何かの課題や使命、職業や大切な仕事に貢献している、ということです。

 

3年以内で仕事を辞める理由

考える

 

「石の上にも3年」ということわざがあります。確かに3年間で仕事や業界知識を一通り学ぶことで、自分一人で考えて仕事をこなせる経験値を養うことはできると思います。でもこの3年間で得た経験を活かして転職と考える方の殆どの理由が生理的・安全欲求をもっと満たしたいと考えている傾向にあるのです。

 

仕事を辞めた理由
1年目 1~3年未満 3年目
1位 仕事内容が合わない 労働時間・休日・休暇の条件 労働時間・休日・休暇の条件
2位 労働時間・休日・休暇の条件 人間関係 結婚・子育て
3位 人間関係 仕事内容が合わない 給料

※出典:労働政策研究・研修機構(JILPT) 資料より

 

1年目の1位「仕事が合わない」で辞めるという理由は、就活時代の自己理解・職業理解不足による、入社後に感じる仕事のギャップからですね。

1~3年未満、3年目の1位を見てみると、「労働時間・休日・休暇の条件」という理由になっています。これは、安全欲求(健康面)の部分にあたります。また、3年目の3位である「給料」は、能力が身についてきた分、労働時間の長さを比べた場合、もっと高く評価してくれる会社があるのではないか、または自分の意味・価値欲求が満たされていないと思う傾向の現れでもあります。

ただ、この3年で終わると、生理的欲求と安全欲求の部分で満足していないので、転職先でもその欲求を満たすことからのスタートになります。新しい環境での不慣れさと共に、生理的・安全欲求に係る意味・価値欲求を満たすまでに、必要な時間と関係性が問われてきます。

 

社会的欲求の段階はいつ頃から?

チーム 仕事

社会的欲求は、集団に属する欲求、仲間や絆を深めることで、孤独や社会的不安を感じることなく過ごすことができることを指します。3年も働いていると、社内関係のトラブルや問題には大多数の方が経験する問題だと思います。苦手な上司、理不尽な要求を突き付けてくるクライアント…。ですが、3年目以降も継続して仕事を取り組むことで、ふとしたきっかけで、組織への帰属意識が高まったり、苦手な同僚なども認めあえる関係になったり、社内の絆も太くなっていく傾向にあります。

また、次の段階の尊厳欲求(承認欲求)では、他者から認められたい、尊敬されたいという欲求に変化します。社内で認められ、苦手意識を感じていたクライアントとの関係性も変化してくのがこの社会的欲求や尊厳欲求の時期です。大卒で働いていたら、ちょうど27,28歳くらい、5~6年目の時期ですね。

入社1年目はがむしゃらに仕事を学んだ時期から、自分で正しく考えることができ、仕事の効率化も見え、結果が出てくるころです。部下を持つ人もいれば、営業成績優秀者など、一番仕事に脂がのってくる時期とも言えます。これくらいの時期になれば、生理的・安全的欲求よりも、また少しのトラブルなども跳ね除けるほど、仕事に対してのやりがい、楽しさ、面白さを感じてくる頃になります。

 

続ける人にしか見えない景色がある

道 まっすぐ

広告業界に勤務していた20代後半の私も、当時、社内人間関係のトラブルや問題はありましたが、それよりも仕事が上手く回っていくことが楽しい時期に変化してきました。だからこの頃には、生理的欲求や安全欲求の段階も超えていたと思います。

プライベートであれば、きっと付き合うこともなければ、知り合うこともないような苦手意識を感じていたクライアントとも、ふとしたきっかけで、「信用されるようになってきたな」と感じるようになったのもこの頃です。取引し始めて3~4年はもう毎日が必死で、他社に抜かれないようにひたすら密に連絡を取り、細かな対応をしている姿を見せることで精一杯でした。それがある時にふとクライアントから、普段言わないような社内事の悩みをされたり、間接的な仕事に係る会話をするようになってから、信頼されるようになってきた実感を得ることができたことを覚えています。

それからは、ただ必死に業務をすることよりも、クライアントに合わせた提案や悩み事をクリアにしていくためにどのようにしたらいいかを考えるようになり、仕事に面白味=やりがいを感じてきた20代後半でした。

 

「続ける人にしか見えない景色がある」。よく言われる言葉ですが、本当にその通りだと思います。石の上で3年では、私自身、正直足りない…と感じていました。きっと、5~6年を見据えた仕事の選び方をしていくと見えない景色が見えてくるのだと思います。私の場合は、気づけば5年過ぎていましたが、多少の人間関係のトラブルや問題よりも、それを超えるような仕事の楽しさを味わっている自分自身にワクワクする、そんな景色を20代の頃に感じて欲しいと思います。

 

我慢や忍耐ではなく、満足であるために

満足

生理的欲求や安全欲求を満たすために、自分が得意としない環境や仕事をしているとストレスが重なり、より健康面の不満足に欲求を満たすことができなくなります。それは単純に我慢や忍耐が足りない、ということではなく、自己分析がきちんとできていないことが原因で、自分に合う業界や職場で働いていないことが考えられます。

就活や転職を始めるときには、今一度しっかり自己分析からはじめていくことが大事です。その分析こそが、5~6年後の未来の自分へとつながり、多少のトラブルよりも仕事を満足して楽しめるための第一歩です。

 

そして、目に見えない「意味・価値欲求」を満たすこと。感謝し、支え合い、思いやりを持てる環境と自分自身が確立できているかどうかは、働く上で重要な要素です。

  • 自分から苦手な相手に対して、向き合わず距離を置いてしまっている
  • いつの間にかできて当然という印象を持ち、支え合うことを忘れている
  • 日常の仕事をおこなう中で、最近、感謝の気持ちを伝えていない

 

私は自分から周囲に「意味・価値」を与えていない人に、自分自身の意味・価値欲求を満たせることはできないと考えています。また、ただ長く勤めているだけで、欲求段階が必ず上がるとも言えません。仕事に向き合い、環境と周囲の係わりをきちんと向き合っているかどうかで変わります。

まずは自分から周囲に「意味・価値欲求」を与えられる人になっていきましょう。

 

もちろん、結婚・出産・転勤・転籍など、同じ環境で働くことが難しい場合もありますが、自己分析がきちんとできていれば、新しい環境であっても「意味・価値欲求」を周囲に与えられる自分の軸がしっかりできていれば、きっと大丈夫です。

 

最後に

仕事は我慢や忍耐でなく、満足であるために、企業内キャリアコンサルタントが、満足して働けるために自分自身を内から磨いていくための講座をおこなっています。何か変化をつけたい、少し悩みを抱えている、そんな方に。

 

苦手な相手の見え方が驚くほど変わる、今日から実践できるリフレーミング講座

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キャリアコンサルタント_岡本陽子

投稿者: SOARist|株式会社fanfare キャリアコンサルタント岡本陽子

納得感ある仕事人生(キャリア)を築くための「働く気持ちの体力を回復し、働く気持ちのリズムを整えていく時間」を提供するキャリアコンサルタント|オンライン相談付きキャリア手帳考案者

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