仕事の穴埋めをしてくれる人材を採用できたことに期待する企業と、スキルや能力を活かせる職場で働ける未来に期待するスタッフ、採用当時はそんな双方の期待値で溢れています。入社後は少しでも生産性を高めようと、研修や時間効率などをはかって、生産性ある存在に育てていこうとすることが企業側の思いです。対して、スタッフは、組織に属するものとして、必要とされる存在になるために、企業への存在価値を求めています。もちろん仕事なので、時間効率などの数字の生産性が求められていることはわかっています。
でも他に大事なこととして、日本人は昔から「和の心」や「おもてなしの心」を持っていて、お互いに助け合い、相談しながら知恵を集めたり、相手に対する思いやりやおもてなし精神を持っています。この数字では表せない感覚や感情を、入社後の3ヶ月~6ヶ月は信頼関係を築くために、一番気を配って欲しい部分なのです。組織に属するものとしての数字の部分でははかれない、存在価値が無くなることで離職に至る2つのことについてまとめてみました。
和の心、思いやりの精神を否定される

入社当時は、組織で活躍できるために、会社で必要とされる存在になるために、新しい学びを取り入れながら、自分ができる上司や会社に気遣い、思いやることをワンポイント仕事に加えています。
「読みやすい資料をつくったり」
「忙しくしている上司に代わって必要だと思うデータを調べてみたり」
すべて自分自身のためではなく、仕事の流れが上手くはかどるように上司のことを考えながらおこなっています。このときの上司の反応が、信頼関係を築く一歩になります。
もちろん、なかには捉え違いをしているデータや資料があるかもしれません。捉え違いについては軌道修正する必要がありますので、注意や改善点などを伝えたらいいのですが、たまに行為そのものを否定する上司もいます。
「和の心」「おもてなしの心」を持っているスタッフからすると、上司のために良かれと思って取り組んだ仕事を否定されたことで、自分自身を否定された感覚を持ってしまうことがあります。これが何度も続くと社内で存在価値を見い出せないまま離職につながっていくのです。
行為そのものを否定ではなく、捉え違いをしている部分の改善点に目を配るようにするだけで、2回目、3回目の出来栄えはグンと上がり、気づかいができる生産性が高い存在へと見え方が変わっていきます。
生産性の高いスタッフだけ残ればいいという罠

思いやりは確かに必要だけれど、ズレているスタッフを教育する時間はない!という経営者もいるかもしれません。確かに1話ししたら10わかって動いてくれるスタッフは生産性が高いですし、物覚えが悪いスタッフにはイライラして生産性低いと感じるのも当然です。
必然的に仕事が早いスタッフに信頼を置き、仕事を渡す量も多くなります。生産性が低いと感じるスタッフには、説明している時間もムダに感じて、ある業務だけ切り取って仕事をふるようになります。すると本人は業務の着地点が見えないまま言われたことだけやっているという状況におちいり、言われたことしかできなくなる受動的な存在ができあがってしまいます。
上司から見ると、生産性の高いスタッフには信用を置いており、スタッフからも信頼されているだろうと思いがちですが、仕事量と求められる質の高さにキャパオーバーになってストレスを感じている方も少なくありません。
- AIやロボットのように扱われることに不満
- ただ業務をこなしていたらいいだけの時間効率・数字重視な環境に不満
- 意味がわからず仕事をふられることに困惑している
不安や困惑をしているとき、信頼は生まれていません。だから不満や困惑を解消していくための「感情の生産性」を高めることが必要なのです。
(※感情の生産性について過去書いた記事があります⇒時間効率だけが生産性向上ではない!知っておきたい2つの生産性の高め方)
部下からの危険サインを見逃さないこと

この不満や困惑に気づかないまま、同じ環境を繰り返して、不満や困惑という感情すら通り越してしまったスタッフは危険です。本当はもっとこうした方が上手くいくなど考えや能力を隠してしまい、ただ言われたことだけを淡々とこなしていく、本当にロボットのように仕事をしていきます。
生産性の高いスタッフと感じるほど、この傾向になる方が多いです。そのうち正確さもスピードも申し分ないけれど、協調性がないんだよな…、と今まで数字や時間の生産性だけで評価していた上司が、感情の生産性の必要性を求めるのです。
でもスタッフは入社当時から感情の生産性を求めていますし、幾度となく危険なサインは出しています。危険なサインは感情の生産性がわかる見える化シートで気づくことができるようになります。
(※感情の生産性がわかる見える化シートについて過去書いた記事があります⇒上司と部下の信頼関係がまるわかりになる2つのコツ)
それに気づかないまま、やり過ごしていることで、プッツンと糸が切れたように急に離職したいと言い出してきます。
上司からすれば、期待も信用もしていたし、せっかくある程度仕事をまかせられる状態になったとたんに離職を言われてしまうので、「なんで?」と「?マーク」が頭をかけめぐります。理由を聞くと、思いやりを否定されたなど一見些細なことに聞こえるかもしれません。
組織に属しているからこそ、組織内での存在価値を感じたいと誰もが思います。上司や企業側は、数字や時間の生産性の高さが存在価値があると思いがちです。もちろんその通りなのですが、時間の生産性はいずれAI化やロボットで対応できていくようになりますし、ロボットだけでは組織は成り立ちませんよね。
数字や時間の生産性だけではなく、採用当時に魅力を感じた個性を活かす感情の生産性を同時に高めていくことが、存在価値を感じ、信頼関係を築いていくポイントなのです。
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