経営者・マネージャー・人事担当者必読!やる気を感じられない、言うことを聞かない、動きが遅い従業員のやる気スイッチがわからない方や、いつも周りに対してグチや批判などを漏らし悪影響を及ぼしている従業員の存在に手を焼いている方に。
アメリカの心理学者ヘンリー・マレー氏は、人間は欲求や興味関心ごとは持っていて、人の心を動かす要因は39種類あるとリスト化しました。その中で、社会生活や人間関係において心が求める社会的欲求である28種類の心理発生的要求リストを見ながら、従業員の本音・欲求を探っていきます。
マレーの心理発生的要求リスト
マレーの心理発生的要求リストはよく心理テストなどにも用いられています。社会的欲求の28リストはこちら。
| おもにいきていない対象と結びついた要求 | 1 | 獲得 | 所有物と財産を得ようとする要求 |
| 2 | 保存 | いろいろなものを集めたり、整理したり、手入れしたり、保管したりする要求 | |
| 3 | 秩序整然 | ものを整頓し、組織立て、片付け、整然とさせ、きちんとする要求 | |
| 4 | 保持 | ものを保有し続け、それを貯蔵する欲求、かつ質素で、経済的で、けちけちする要求 | |
| 5 | 構成 | 組織化し、築き上げる要求 | |
| 大望、意志権力、成就欲、および威光に関係する要求 | 6 | 優越 | 優位に立とうとする要求、達成と承認の複合 |
| 7 | 達成 | 障害に打ち勝ち、力を行使し、できるだけうまく、かつ速やかに困難なことを成し遂げようと努力する要求 | |
| 8 | 承認 | 賞賛を博し、推薦されたいという要求、尊敬を求める要求 | |
| 9 | 顕示 | 自己演出の欲求、他人を興奮させ、楽しませ、扇動し、ショックを与え、はらはらさせようという要求 | |
| 10 | 不可侵性 | 侵されることなく、自尊心を失わないようにし、”良い評判”を維持しようとする要求 | |
| 11 | 屈辱回避 | 失敗、恥辱、不真面目、嘲笑を避けようとする要求 | |
| 12 | 防衛 | 非難または軽視に対して自己を防衛しようとする要求、自己の行為を正当化しようとする要求 | |
| 13 | 中和 | ふたたび努力し、報復することによって敗北を克服しようとする要求 | |
| 人間の力を発揮し、それに抵抗し、あるいはそれに屈服することに関係のある要求 | 14 | 支配 | 他人に影響を与え、あるいは統制しようとする要求 |
| 15 | 恭順 | 優越者を賞賛し、進んで追随し、喜んで仕えようとする要求 | |
| 16 | 模倣 | 他人を模倣、またはまねようとする欲求、他人に同意し、信じようとする要求 | |
| 17 | 自律 | 影響に抵抗し、独立しようとする要求 | |
| 18 | 反動 | 他人と異なった行動をし、独自的であろうとし、反対の側に立とうとする要求 | |
| 他人または自己に障害を与えることに関係する要求 | 19 | 攻撃 | 他人を攻撃したり、または傷つけたりしようとする欲求、人を軽視し、害を与え、あるいは悪意をもって嘲笑しようとする要求 |
| 20 | 服従 | 罪を承服甘受しようとする要求、自己卑下 | |
| 21 | 非難回避 | しきたりに反する衝動を抑えることによって非難、追放または処罰を避けようとする要求、行儀よく振舞い、法に従おうとする要求 | |
| 人間間の愛情に関する要求 | 22 | 親和 | 友情と絆をつくる要求 |
| 23 | 拒絶 | 他人を差別し、鼻であしらい、無視し、排斥しようとする要求 | |
| 24 | 養護 | 他人を養い、助け、または保護しようとする要求 | |
| 25 | 救援 | 援助、保護または同情を求めようとし、依存的であろうとする要求 | |
| その他、社会的に関連した要求 | 26 | 遊戯 | 緊張を和らげ、自分で楽しみ、気晴らしと娯楽を求める要求 |
| 27 | 求知 | 探索し、質問し、好奇心を満足させる要求 | |
| 28 | 解明 | 指摘し、例証しようとする要求、情報を与え、説明し、解釈し、講釈しようとする要求 |
同じ部署、同じ職種で仕事をしていても、求める要求は個々で異なります。要求を満たす要件ではなければ、興味関心を持たないし、逆に要求を満たすようであれば、より積極的になります。
働くことに視点を変えると、要求はやる気スイッチ(欲求)の素であり、欲求が満たされるようなことであれば、より積極的に活躍するようになることを意味します。
欲求の相違はギャップが生じる原因

ここで、一つ例をあげて考えてみます。
(例) 営業会社で働くマネージャーは、営業成績不振な部下の育成に悩んでいる。確かに営業ノルマは厳しいかもしれないが、達成すればきちんと歩合で還元される。高い報酬は、この会社で働く魅力の一つだと感じている。だから達成するために様々な方法論を話してはいるが、あまりピンときていないようだ。採用時は素直で前向きさが魅力と感じていたが、今は部下の魅力が何かわからない。
マネージャーの心理をマレーの心理的要求に当てはめてみると
1)獲得・・・所有物と財産を得ようとする要求
7)達成・・・障害に打ち勝ち、力を行使し、できるだけうまく、かつ速やかに困難なことを成し遂げようと努力する要求
が顕著に出ていることがわかります。
対して、部下の心理で考えると上記とは異なるように思います。部下が獲得・達成要求が強いタイプであれば、予算達成に向けての考え方や動きがあるはずだけど、ピンときていない時点で違うということになります。
では、次に何が会社の魅力だと感じて入社しようと決めたのかを部下の視点から考えていきます。すると、新事業部の採用でゼロから積み上げに魅力を感じ、事業部と共に切磋琢磨しながら自分も成長していきたいと思ったとのことでした。でも営業していくうちに、数字さえ上がればいいという雰囲気に、少し抵抗感を感じるようになったようです。
上記の内容から、部下の心理的要求は、
5)構成・・・組織化し、築き上げる要求
7)達成・・・障害に打ち勝ち、力を行使し、できるだけうまく、かつ速やかに困難なことを成し遂げようと努力する要求
が当てはまります。
両者にある達成要求は一見同じように見えますが、意味が異なります。
マネージャー・・・売上達成すると報酬が獲得できるという事を意味し、その方法論を日々教育
部下・・・組織を作り上げていくために努力していくことで、事業が形となり組織化されていくための達成要求で必ずしもお金が目当てではなく、組織構成の達成が1番でお金は後からついてくるという理論
売上がないと組織も成り立たないし、営業だから売上を上げてくることは当然です。しかし、マネージャーは売上や報酬など金銭面を前面に出し、金銭面は後からついてくるものと考える部下の間には、大きなギャップがあります。
大事なことは、マネージャーがこの部下の心理的要求は何かに気づくことです。気づくことで、金銭面でやる気を起こさせる話し方ではなく、堅実に組織を作り上げるためにしなければいけないことは何か、からはじめることで部下の聞く姿勢も変わってくるでしょう。
アレンジ力を磨いていく

どちらも、組織の基盤づくり、繁栄を目指しているので、結果として最終地点は同じなのですが、経緯が異なります。上司は、この経緯の異なりを理解して、同じゴールに向かって上手くアレンジをしていく必要があります。
上司が部下に気持ちに寄り添うことはできない、無理だと考える方もいるかもしれません。寄り添わなくていいので、自分の欲求と従業員の欲求のポイントには違いがあるということを認識して、従業員の欲求のポイントを理解してみてください。
そのポイントを理解した上で、従業員の欲求を満たしていくトークにアレンジさせていく力量が問われます。今まで派手な色を着たことがない人は、派手な色のジャケットを着ろと言われても嫌悪感しか抱きません。ですが、靴や鞄、帽子などでアクセントをつけたら、オシャレでかっこいい印象になり、派手な色でも受け入れることができるようになることもあります。
どのように着せていくか、どの型が似合うか、どんな小物を持たせたらより個性が際立つのか・・・。
その着せ方の上手さが、従業員一人ひとりの要求の型を理解している上司のアレンジ力であり、マネジメント力。
最後に、批判や非難など周りに悪影響を及ぼす要求は、上記のようなアレンジは必要としません。この要求が強い方は、他にストレス過多があり、周りに吐き出すことでバランスをとっている場合もありますが・・・、詳しくはまた次回→詳しくはコチラ
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