オンラインが急速に活用され、オンラインに慣れてきた人もいれば、慣れない、やりづらい、やっぱり対面が良い、そう思われる方も多くいらっしゃいます。それはホスト、参加側共にPC画面1点に集中し過ぎて、気疲れしてしまっていることが原因かもしれません。最近ではオンラインマナーという言葉も見受けられるようになりました。マナーと言えば聞こえはいいけれど、マナーの設定がときに余計にやりづらさを感じてしまうこともあります。正しい姿勢よりもリラックスした姿勢を求めていく方が、オンラインには必要なことなのかもしれません。
オンラインで感じる「やりづらさ」
この数ヶ月の間に、急速に活用されたオンライン。
オンライン会議
オンライン相談
オンラインセミナー
オンライン飲み会
オンラインは、自分の顔・表情も映ることが、今までの対面とは異なる対話になります。
対面にはない、自分の顔と向き合う時間が増える中で、オンラインならではの「やりづらさ」を感じていませんか?
✔Wifi環境の不具合による会話の途切れ、音声の聞きづらさ
✔雑談がない、連絡・確認・報告事項で終わる淡泊さ
✔長時間小さな画面をずっと視聴し続ける目の疲れ
✔いつもの声のトーン、返事では、やる気がないと思われる
✔いつものうなずき程度では、反応していない、返事をしていないと思われる
自分自身で、自分の顔が見えているからこそ、集中できていない周りの姿にイライラしていませんか?
相手の目線の落とし方に、話しを聴いていないと腹を立てたり、無反応さにイライラしたり・・・、
あなたは、思い当たることはありますか?
非日常が日常化された緊張感と集中力
対面と同じ感覚・対応をオンラインに求めると、やりづらさが生まれていきます。
対面で誰かと会話をするとき、相手だけではなく、周りの環境も目線に入りますよね。
何か業務をしている
数人で会話している
一人で考え込んでいる
そのような環境の中で、誰かに声かけをしたり、相談したり・・・。
対面では、オンラインのように全員が同じ方向に、常に向いているわけではありません。
全員が同じ方向に目線が向いているような対面の機会と言えば、決起集会や入社式のような場面が思い浮かぶのではないでしょうか?そのような場面では、姿勢を正したり、緊張感が漂ったり、返事も人一倍大きくなりますよね。
決起大会や入社式などの場面は、年に数回であり非日常なことです。でもオンラインになると、この非日常の姿勢を求められていくんですよね。
✔いつもよりもワントーン明るく
✔リアクションも大きく
✔常に画面に集中する
年に数回だった非日常のことが、オンラインで日常化すると、だれでも疲れてしまいますよね。
だから「やりづらさ」が露見してしまうのではないでしょうか?
自宅だからと言ってリラックスできる姿勢ではないオンライン
私も仕事上、オンラインでカウンセリングや研修・セミナーをする機会が増えています。それまでは主に対面でおこなっていました。対面のときはいつも、「安心・安全で自由に話せる場所」だとお伝えした上で、「リラックスした服装でお越しください」とお願いしていました。
中には休日なのにかしこまった姿で来られる方がいて、緊張感に溢れているんですよね。それでは、気持ちを話すことにも時間がかかってしまいます。ですからリラックスさは日ごろからとても重視して、事前にお伝えしています。
これがオンラインに変わると、相談者が受ける場所は「自宅」という気軽な場所であっても、
●一つの画面に集中して向かって話すことは、自由さに欠けている
⇒話しづらいのではないだろうか
●リラックスした服装であったとしても、しっかり椅子に座って画面に集中する
⇒それはリラックスできる環境ではないのだろうか
そう考えると、
あぐらをかきながら話しても
家でウロウロ歩きまわりながら話しても
何か家事をしながら、ラジオを聴くように耳だけ傾けている
だけでも良いのではないか、私はそう思うようになりました。
実際、対面でおこなう会議であっても、議題に集中しているようで、個々によって目線が異なります。
手元にある資料を見たり
スクリーンに映し出されるデータを見たり
窓の外に目を向けながら、考える人もいたり
黙って目を閉じて、考え込む人もいたり
中には少しウロウロしながら考えてみる人もいますよね。気づかないうちに、個人個人で考えやすいリラックスした姿勢をしています。
それがオンラインになると、
✔よそ見をしている
✔寝てるんじゃないか
✔やる気が見られない
そんな印象を持たれてしまいますね。
でも、それも良い、それが良いのではないでしょか?
画面を絶対にONにして画面に集中できない相手にイライラさせてしまうより、画面をOFFにして歩きながら考えた方が良いヒントが生まれるかもしれません。少し身体を動かしたり、あたたかいお茶を飲むことで、頭の整理・気持ちの整理がしやすいかもしれません。
実際、オンライン相談やセミナーをされるときに、画面OFFにされる方は多くいらっしゃいますし、画面をONにしたままで、あぐらをかきながら相談をされる方もいます。相手がリラックスして話せるのであれば、それで良い、そう思うのです。
たまにマナーが悪いなどオンラインマナー云々を言われる方もいらっしゃいますが、マナーは環境によって左右されるものです。
パーティのような環境であれば、ドレスコードがマナーに
ビジネス環境であれば、ビジネス用語や身なりがマナーに
いくらビジネス上のオンラインと言っても、自宅というリラックスした環境の中でリアルなビジネスマナー・身なりをしようとすることには無理があります。クライアント先に訪問をしていた時はスーツ・ジャケットを羽織っていても、オンライン時はシャツとネクタイのみ、ということはよくあります。
必要最低限のことができていれば、それで良いのではないでしょうか?
リラックスできる姿勢を許容していくこと
イライラした状況や環境、緊張感が漂う空間の中では、良いディスカッションはできません。良いアイデアやヒントは、例えばお風呂に入っているときや、散歩しているとき、ちょっとした運動をしているときなどのリラックスした空間の中から生まれることが多いですよね。
オンラインが日常化されている中においても、全員が一つの画面に視線を集め続ける行為は、緊張感と集中力がともないます。
集中しても何も生まれない場合
✔ちょっと席をはずす
✔画面から視点をはずす
✔身体を動かす
✔コーヒーなどのドリンクを飲む
それらを許容することは、ホスト側に必要なのではないでしょうか?
集中していた画面から少し視線を話すことは、日常の会議で窓の外の風景を見て考えるのと一緒です。
動いたりすることでアイデアが浮かぶことは、日常の会議でもよくあることですよね。
考えたり、アイデアが浮かぶことで、話しが深まっていきます。
タバコ休憩やコーヒーを飲みながらの雑談から生まれるヒントもあるでしょう。
オンラインのマナーなど必要最低限な正しい姿勢は大切ですが、オンラインで話す・聴く姿勢を許容することで、対面に近い状況がうまれやすくなるのではないか、そう感じています。
あなたは、どのように考えますか?