新聞広告、折込チラシ、求人雑誌の時代からフリーペーパー、WEB求人サイトへ変わり、今はホームページ、SNSや知人紹介等のリファラル採用等、求人募集をするときの選択肢は多岐に渡ります。それだけ求人広告業界も変革してきている、と言えます。有料から無料へ、求人メーカー頼りから自社獲得へ。求人募集が進化し続ける中、より良い人材を採用するために必要なことは何か?新卒募集の現状をもとに、新卒から選ばれる企業になるための方法についてまとめてみました。
新卒募集の深化
平成28年3月1日から若者雇用推進法により、新卒募集をする企業は、「職業能力の開発・向上に関する状況」を求人情報に掲載することが必要になりました。
以下の5項目のうち、1項目以上の情報提供をしなければならない、としています
職業能力の開発・向上に関する状況
- 研修の有無及び内容
- 自己啓発支援の有無及び内容
- メンター制度の有無
- キャリアコンサルティング制度の有無及び内容
- 社内検定等の制度の有無及び内容
これら5項目のうち、1項目以上の情報公開が必要ですが、新卒サイトはフォーマット化されているので、各項目があるかないか、記載する形になっているかと思います。
心理的な面で、制度があるかどうかという項目に「ない」が続くと、この企業は社内制度が整っていないんだな、というマイナスな印象を持たれてしまうことがあります。何となく様々な制度がある方が優良企業のように見えてしまいがちになるんですよね。
中小・零細企業には無理だな
大手で採用されなかった新卒を採用するしかないのか・・・
あなたはそんな風に思っていませんか?
あなたの企業はキャリア形成促進助成金を活用していませんか?
でも、よく考えてみてください。
「2.自己啓発支援の有無及び内容」や「4.キャリアコンサルティング制度の有無及び内容」「5.社内検定等の制度の有無及び内容」は過去に助成金を活用して取り入れていませんか?
過去、キャリア形成開発助成金を活用されている企業であれば、以下の項目が当てはまります。
- 教育訓練休暇制度・教育訓練短時間勤務制度を活用した企業であれば、自己啓発支援に当てはまります。
- セルフ・キャリアドック制度を活用した企業であれば、キャリアコンサルティング制度に当てはまります。
- 社内検定制度だって同じです。何かしらの業界団体等が実施する検定を活用する場合も「有」として構わないのです。
助成金を受給するためだけに活用した企業も少なからず存在するかもしれませんが、継続的に制度が活用されているのであれば、明記することは可能です。
他、「1.研修の有無及び内容」は、しっかり新人研修をおこなっているのであれば、その内容を具体的に明記すればOKです。また、「3.メンター制度」においては、社内メンター制度を考えてみてもいいかと思います。
中小・零細企業だからと言って、全く不利になる内容ではありません。むしろ、過去に助成金を活用して制度を整えている中小・零細企業にとって、新卒者に目に留まる原稿になっていきやすいのです。せっかく魅力がある制度を持っているのに、表に出していないがために、給与や条件面等だけで選択肢から外されている、なんてことがあるかもしれません。
何だかもったいないことをしてしまっていますよね。
キャリアを築ける場所かどうか問われている
さて、なぜ今このような研修やメンター、キャリアコンサルティング、自己啓発等や検定等を重要視しているのでしょうか?
それは、
企業が私たちのキャリア(人生)を築いてくれる(保障してくれる)
そんな時代が終わり、企業の中で、企業と共に個人が自発的にキャリアについて考えていく必要性が高まってきたからです。
加えて定年や年金受給も60歳から65歳へ・・・、などの話しが持ち上がるほど、20代の若者は将来に不安視しています。だからこそ、その不安を拭うために、自分の仕事人生(キャリア)をこの会社に預けて大丈夫だろうか?という目線で見ることが多くなりました。
だから自己啓発支援やキャリアコンサルティング等、企業内で自分の仕事人生(キャリア)を磨く制度が多ければ多いほど、20代の目に留まりやすくなるのです。より良い人生を築くために、より良い人生を築ける企業・環境に身を置きたい、ちゃんと成長していきたい、そんな若者の前向きさを応援するための、企業に必要な制度なのです。
制度を整え運用するほど定着率も上がっていく
もちろん、企業にもメリットがあります。それはメンター制度やキャリアコンサルティング制度があることで、離職抑止になることがあります。
誰かに相談できる場が社内にあることで、悩みを一人で抱えることが無くなります。また離職する要因の一つとして、考えが過度にクセづいていたり、上司に嫌われている、と言う思い込みから起こることです。これらも相談できる相手がいることで、思い違いに気づき簡単に離職することも少なくなります。
また、誰も離職しようと思って入社をしてきません。確かに一つの企業に一生勤めるという認識はなくても、長く働きたい、長く続けられる場所は求めています。そのために必要とされる学びや知識は貪欲に吸収していきたい、という人達が今の20代の気がしています。
実際、私のもとにキャリアカウンセリングを申込される20代の殆どが、将来を不安視しています。
- 今しないといけない学びは何か
- より良いキャリアを築くために今何をしないといけないのか
- 今の仕事で得られてることはどのようなことなのか
そんな質問をされる方がすごく多いです。基本的に真面目な方ばかりです。
あなたの企業は、このような自分のキャリアを真剣に考えている人材を採用したいと思いませんか?自分のキャリアを真剣に考え、真面目に取り組む人は、企業においても、社会においてもきっと貢献度が高い存在になり得る確率も高くなります。
だから、求人募集の際に、「あなたの仕事人生(キャリア)を応援している企業」だと打ち出す必要性があるのです。
求人募集原稿を見直そう
過去にキャリア形成促進助成金を活用して継続して制度を運用している企業は、今からでも求人募集原稿を見直してみませんか?
もう一度記載します。
職業能力の開発・向上に関する状況
- 研修の有無及び内容
- 自己啓発支援の有無及び内容
- メンター制度の有無
- キャリアコンサルティング制度の有無及び内容
- 社内検定等の制度の有無及び内容
これら5つの項目は、あなたの企業により良い人材を採用していくための大事な項目です。
仮にキャリア形成促進助成金は活用していない企業や、制度として就業規則等に規定されているものでなくても、継続的に実施している企業かつ、そのことが従業員に周知されていれば、これら5つの項目は「有」として構わないのです。
あなたの企業の求人募集情報を更新したのはいつですか?もうしばらくずっと同じ原稿を載せているだけで、全く応募もない状況であれば、求人募集原稿から見直してみませんか?
応募状況が変わるかもしれませんよ。
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