キャリアコンサルティングをおこなうとどのような効果があらわれるのか、普段上司や同僚、家族や友達に悩み相談しているけれど、その差は何ですか?とよく質問されます。相談は目に見えないので、なかなか話しを聴いただけでは違いを見つけることはできませんよね。キャリアの専門家であるキャリアコンサルタントに相談することで得られる効果は、面談後のスッキリとして表情、自ら考えていく行動に見えますが、一人ひとり異なります。
まずは、キャリアカウンセリングはどのような流れをおこなっていて、どのような効果があり、何が違うのか、を体系的にまとめてみました。
ほとんどの経営者が感じている疑問
先日、ある経営者からこのような相談を受けました。
外部のキャリアコンサルタントに面談をおこなうと、何だか自分が部下から信用・信頼されていないと感じる上司がでてくると思います。
実際、私自身、何で上司ではダメなのか、と思っています。
上司がおこなう面談と、キャリアコンサルタントにお願いする面談の違いがわかりません。
わざわざキャリアコンサルタントに依頼をすることで、違う効果があるのでしょうか?
この質問は、本当によくあります。
普段の相談と、キャリア面談の専門家であるキャリアコンサルタントとの違いと効果はどのようなものかを説明する前に、まずキャリアカウンセリング、キャリアコンサルティングとはどのようにおこなうのかをお話ししていきます。
キャリアコンサルティングの流れ
キヤリアコンサルタントがおこなう面談の流れはこのようなことです。
1.面談者と関係構築を育むことで本音を語りだす場をつくる
面談をおこなう中で、まず終始重要となる関係構築は、面談者に安心して安全に何でも気軽に話せる場所、話せる時間という認識をしてもらいます。安心・安全に自由に話せる場所・時間の提供は、自然に本音を語る場へと変化していきます。
2.抱えている問題を把握する
話している中で、何に悩み、どのような問題を抱えいるかを把握します。
このとき、すでに面談者自身が把握している問題もあります。一方でキャリアコンサルタント視点で感じた問題もでてきます。キャリアコンサルタント視点で感じる問題とは、相談者自身の知識・情報不足や考えのクセ、思い込みなども含まれます。
3.問題を解決していくための目標を立てる
問題を把握し、解決していくために目標を明確化、行動するための意思確認をおこないます。目標を立てることは、キャリアコンサルタント視点でおこなう目標設定ではありません。面談者が悩みを解決するための、面談者視点の目標です。
4.問題を解決していくための方策・手段を見つける
問題解決の目標に近づくための方策(手段)を考えていきます。手段は一つではなく、数種類ある中で、面談者が納得し取組みやすいことから取り組んでいきます。
5.問題を解決するための意思決定と行動をおこなう
方策(手段)をおこなう意思確認を行動促進をおこないまる。1回の方策(手段)で解決できる人もいれば、複数の方策(手段)を経て解決につながる場合もあります。その都度面談を繰り返し、行動化の促進を支援していきます。
キャリアコンサルタントと上司や友達に相談することの違いとは
キャリアコンサルティングの流れを見て、「やっぱり社内でやっている事と似ている、だから上司もできている」と思いますでしょうか?
でも大抵の上司や友達は、このようなことを前提として相談相手になっていることがあります。
✔関係構築はもうすでにできているからあえて必要ない
✔関係性はあって当然だからあえて気にしていない
あなたは無意識でも、そのように考えてはいませんか?
または、あなたはある程度話しを聴いた中で、先読みしてしまうことはありませんか?
「このようなことで悩んでいるんだな、それならこうしたらいいよ」
と相談途中でいきなり4番の方策(手段)を伝えてしまうことはありませんか?
それが、普段上司や友達がおこなう相談と、キャリアコンサルタントがおこなう面談の違いなのです。
悩みは自分自身でどれだけ考えても答えがでてこないことです。だから上司や友達を頼りに相談します。そのとき、まずこんなに悩んでいる自分自身の気持ちを理解して欲しいと思っています。面談者の理解することが、この相談を受けているときの関係構築の第一歩です。それをしないままで、良かれと思って悩み解決のための手段をあれこれ伝えがちです。
相談者のためにと思って伝えている行為が、面談者は「何も自分のことをわかってくれていない」と感じ、壁をつくってしまいます。これでは安心・安全に自由に話せる場ではなくなり、関係構築は薄れてしまいます。
人は感情に左右される生き物
キャリアコンサルタントの倫理規定の中に、多重関係の禁止という明記があります。これは、家族や親身にしている友達など、客観性や中立性が保たれない関係性でおこなうキャリアコンサルティングは禁止されています。
上司と部下も、ビジネス上の関係ではありますが、いつしか情がうつり、情に流されるということもなくはありません。どうしても自分と似た性格や特徴の人とは話しがしやすいけれど、真逆の性格や特徴の人にはイライラしてしまいます。言ったことがなかなか伝わらない、なんてこともありますよね。
過去の関係や出来事を思い出すことで、感情的になってしまいます。
あなたの企業ではいかがですか?
感情に左右されない人間なんていませんよね。AIやロボットではないのですから。
だからこそ、第三者のキャリアコンサルタントが面談をおこなうことで、フラットな関係で、安心して安全に自由に話せる場の提供ができるのです。
キャリアコンサルティングは安心・安全に自由に話せる場
4.方策(手段)においては、結果的に上司が伝えた手段と、キャリアコンサルタントが伝える手段が同じになる場合もあります。でもその手段を伝える前までの過程が異なります。
安心・安全に自由に話せる場の中で、きちんと過程を踏まえたキャリアコンサルティングをすることで、面談者自身の納得感は高まっていくのです。
関係構築で、面談者の本音を引きだしていく
↓
問題を把握し、面談者が悩みを解決・納得できる目標設定をしていく
↓
納得した目標を達成するための方策の実行(手段)は、面談者の心の内に響き、行動していきやすい
もし、あなたの企業が、人材の成長、離職問題、定着につながらないなど、人材にかかわるすべてのことで悩みを抱えているのであれば、一度キヤリアコンサルタントに相談してみませんか?
キャリアコンサルティングの過程を踏まえて、あなたの人事の悩み問題を解決していく方法を一緒に考えながら解決していきます。
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