企業先でキャリアコンサルティングをする際、私は「現在の会社に入社したきっかけ」を聴くようにしています。なぜかと言うと、入社したきっかけを知ると、本音が見えてきやすいからです。採用は企業と応募者の双方の合意によって決まります。双方の合意ではあるけれど、魅力を感じたポイントは企業と応募者では異なります。その異なりに気づかないままでいると、思わぬタイミングで離職に至ることがあります。
入社したきっかけを知ることは、「人の心を動かしたきっかけ」でもあります。人材不足の中、数ある企業の中でなぜ選ばれたのか、あるクライアント先での出来事をもとに、人の心を動かすために必要な3つの力について、まとめています。
人の心を動かすきっかけは3つ
Aさんは、子どものころからモノづくりに興味はあったようですが趣味程度でした。それが飲食店のアルバイト先で、店の内装の素晴らしさに感銘を受けたそうです。内装をおこなった企業を調べて、入社したAさん。当時は求人募集をしていなかった企業ですが、Aさんの熱意と行動力に魅了されたのでしょうね。
人の心を動かすには、
- 熱意
- 行動
この熱意と行動力はよく聞くワードですが、もう一つ大事なことは言葉の表現力です。
不器用な人ほど言葉の表現力が足りない
どれだけ熱意や行動力があっても、いつも空回りしている方をみたことはありませんか?本人はものすごく熱い熱意と真面目すぎるほどの行動をしていても、言葉の表現力が足りないだけで、損をしていることがあります。言葉の表現力が足りなかったことで、相手に勘違いさせたり、捉え違いさせてしまうことがあります。
言葉の表現力が足りない不器用な人の特徴は、この2つ。
- 言葉が足りない
- 言葉のアレンジが足りない
これらがクリアになるだけで、熱意×行動×表現力が掛け合わさり、「人の心を動かす」ことができるようになります。
言葉が足りない人の特徴
言葉が足りない人の多くは、結論や結果だけを伝えて理由付けが上手く話しきれていないことがあります。メインの言葉だけを抜いて、前後の大事な理由を伝えないことで、正しく伝わらないことが多いのです。TVのニュースや情報番組は典型的ですね。限られた時間の中で、インパクトあるコメントだけを抜き取って、視聴者に共感を求めていく。
言葉が足りない人は、正しく伝わらないことが多いので、勘違いされやすいのです。また、個人の思い入れや感情面が強く、理由づけをしていても偏った理由づけになってしまい、相手は理解してくれないことがあります。
いつも話している会話にプラスして相手にわかりやすく理由を伝える、ということを心がけると、言葉の足りなさが解消されていきます。
言葉のアレンジを効かす
言葉のアレンジをすることによって、受け取り方の印象が全く異なります。私は仕事上、キャリア研修をおこなう上で、参加者に自己分析をおこない、過去の自分と向き合う時間をつくっています。自分のことって案外知らなかったり、魅力を魅力と感じていない強みを持っていることがあります。
自分の強みや特徴を把握するワークをおこなうために、最初に自己分析の必要性を話ししますが、普通に話してしまうと、理解してくれる参加者と、理解してくれない参加者がでてきます。
これは理解力というような能力の差ではなくて、あきらかに話し手の言葉のアレンジが足りないからです。人は理解し、納得しないと行動に移ることができません。納得しないまま強制的に動かしても何となくでしかできないのです。
- 専門用語を使わない
- 小学6年生にわかる言葉で話していく
人に何かを伝えるときには、この2点を心がけています。
言葉のアレンジを効かすことで、相手が納得する伝わり方に変化します。相手の心にストンと納得できれば、相手の気持ちも動きます。気持ちが動けば、今まで動かなかった相手が勝手に動くようになります。
ぜひ、何かを伝える際には、言葉のアレンジに気を配ってみてくださいね。
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