先日お亡くなりになられた「車いすの天才科学者」ホーキング博士は、技術革新がますます人間の雇用と所得を奪うことを危惧していました。人材がAI技術にとってかわり、仕事がなくなる労働者もいる一方で、そのロボットの持ち主側が利益を確保していく、そんな貧富の差がうまれる時代。
日本の銀行でも、メガバンクが大規模な人員削減を打ち出し、地方銀行では合併が進み、生き残りに必死です。学生の意識も2018年卒までは常に志望ランキングトップから2019年卒では4位に。確実に技術革新が雇用を奪っていく時代の中で、自分らしく豊かなキャリアを築くために今から準備しておきたい3つのことについて考えていきます。
人間の行動は個人の個性と周りの環境との相互作用

キャリア理論家で有名なホランドの職業選択理論では、同じ職業に就いている人々は、類似したパーソナリティ特性とパーソナリティ形成史を示すことが多い、とアプローチしています。学生が自己分析、業界研究をおこなって、自分の特性が活きる企業選びをすることは、働きやすさ、順応しやすさ共に、このホランド理論からきているものです。
ホランド理論は6つのタイプに分類し、その分類した頭文字をとってRIASEC(リアセック)と呼ばれています。
| R | Realistic(現実的) | モノを扱う仕事、職人系
花火師、建築大工、自動車整備士、エンジニア、パイロット |
| I | Investigative(研究的) | 事実を分析・追求する研究職
天文学者、気象予報士、薬剤師、測量士、臨床検査技師 |
| A | Artistic(芸術的) | クリエイティブな仕事
タレント、デザイナー、作曲家、漫画家、画家 |
| S | Social(社会的) | 人と接する仕事
接客業、看護師、教員、保育士、インストラクター |
| E | Entreprising(企業的) | 人を管理する仕事
経営者、支配人、店長、ディレクター、アナウンサー |
| C | Conventional(慣習的) | 数字やデータを扱う仕事
会計士、銀行窓口係、秘書、事務員、行政書士 |
この6つのタイプを見たときに、数字やデータを扱う慣習的な仕事(C)や、人と接する仕事(S)はAI化が進んでいるので、将来無くなる仕事だと言われると納得できますよね。とくに、データを扱う仕事は派遣や契約社員の仕事で多く需要があり、人と接する仕事も多くの職種と求人数で溢れていた時代から、今後は変革されていきます。
さらに、ホランド理論を図解で説明したものがこちら。

データやモノを扱う仕事はAIが対応し、社会的(S)ソーシャルサービスでもAIが代替されることが増えていく中で、残された道は芸術的(A)や研究的(I)ですが、その仕事で活躍できる人材がごく一部です。AIではない、人でしかできないことを生み出していかなければ、40年働く時代から50年、60年と延長していく人生100年時代に豊かなキャリアを誰もが築くことは難しい大変な時代です。
でもこの大変な時代、つまり大きく変化する時代に自分自身も変化することで、豊かなキャリアを築けていくことができるようになります。
自分の強みを活かしてスペックを高めよう

本格的に仕事をAIに奪われる前に今から準備しておきたいことは下記の3つです。
- 自分の強みを掛け合わせる
- 様々な人々に触れ合い価値観を拡げる
- 時代・流行に乗り遅れないために常にアンテナを張る
1万時間の法則で言われるように、どんな分野でもその時間を費やすとその分野のエキスパートになれるという法則を聞かれたことがあるでしょう。正社員であれば、およそ約4~5年くらい。新入社員でも4年経てば一通りの仕事を自分で考えて処理でき、自分なりにカスタマイズして効率化も図れていく時期です。
一つの分野で考えると、周りには何人ものエキスパートがいるから差別化が図れないこともあるかもしれません。元リクルートの藤原和博氏は100分の1を3つ掛け合わせて100万人に一人の人材になることがこれからの時代に必要だと言っています。そのために必要なことは、1万時間やり続けマスターすることだと。(※参考文献 著述家 藤原和博氏)
そんなことを言われても、今から1万時間新しい分野を取り入れる体力も頭もない、と思っていても大丈夫です。必ずしも新しいことをする必要はないのです。それは、今までの経験値の中から時間をかけてきたモノは一つだけではないはずだからです。
仕事の強みだけではなく好きなこと、趣味、得意なことなどを掛け合わせていくことで、100万に一人のレアな存在となり、その掛け合わせが、今までにない仕事を生み出していくかもしれません。ホランドのリアセックにあるような「アイデア」を兼ね備えた要素をプラスで掛け合わせると新しい仕事の形ができることがあります。
でも、自分で3つの強みを出してもさっぱり見えてこないですよね。
だからこそ、様々な人々に触れ合い価値観を拡げる、時代・流行に乗り遅れないために常にアンテナを張る、周りとの関わり方も重要なのです。
未来でも自分の個性と周りの環境の相互作用は続いていく

年齢を重ねるほど、自分とはジャンルの異なる人々や新しい価値観を取り入れる環境が薄れていきます。無理に全く新しいことに踏み入れるよりも、今ある強みを活かした仕事、趣味などに少し変化をつけてみると、新しい価値観に出会えます。
例えば、いつも中堅層とプログラマの仕事をしているなら、プログラマを目指している学生が集まる場に参加してみたり・・・。同じ業界内でも年齢層が異なるだけで、新しい発見がいくつも出てきます。
もう一つは、変化が激しい時代・流行に乗り遅れないために、常にアンテナを張り世の中の動きに敏感になることで、自分の強みの魅せ方のヒントがわかるようになるかもしれません。
「自分の強み」×「価値観を拡げる」×「時代・流行のアンテナを張る」
これが、仕事をAIに奪われる前に新しい仕事・働き方に出会える3つのこと。自分の中だけで考えるだけではなく、新しい発見やアンテナを張ることで、何かに気づくことが大事なのです。
気づくことで考えるようになり、工夫していきます。
それは結局、あなたという人間が考え、行動した結果であり、AIではできないことなのです。
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