仲の良い親友や同僚がいる環境の中では、コミュニケーションの不自由さは、さほど感じていないかもしれません。でも、いつも同じ傾向の性格の方に嫌悪感を抱いたり、付き合いにくい思いをしたことはありませんか?自分なりに手を差し伸べたり、話しかけてもなかなか上手くいかない…。そんな苦手意識を持つタイプがいると感じている方へ。
傾聴スキルを知ることで、話しの聴き方・聴く態度がわかり、今までの印象がガラリと変わります。この記事では、話しを聴く態度・姿勢のコツについてまとめています。
傾聴とは、hearではなくlisten!
hear(聞く)とは、耳で声や音を感じ取る=無意識でも頭に入ってくる、聞こえてくる状態
listen(聴く)とは、意識的に耳を傾け、目と心で聴く=相手を意識している状態
すぐに結論が欲しい方は、相談ごとをされていてもhearの場合が多く、聴いているようで声を感じとっているだけで、中身をあまり聴いていません。頭の中では、聴くことよりも結論を考えている状態ですので、これでは相談者を意識して聴いている状態とはいえません。
この状態で結論を出し、相談ごとが終わっていても、相談者をないがしろにしているので、また新しい問題や相談が勃発し、負のサイクルに突入していきます。何度話しても同じことの繰り返し、何も進展しない…、そのような状況の場合は、まず聴く姿勢をlistenに変えてみることから始めます。
相談者を意識して聴いているlistenの状態は、時間は要しますが、そこで得た意思決定や解決の方向へ進んでいくので、前者のような負のスパイラル突入することは回避されていきます。
先々のことを考えると聴く姿勢を保つことが、より良い関係性への一歩になります。
傾聴で相手の気持ちを理解しよう
相談をする側は下記のような思いを持つことがあります。
- 一人で悩むより、誰かに聴いてもらいたい
- 新しい意見があれば聴きたい
- 自分の考えが間違っていないか確認したい
- この不安な状況を知ってもらいたい
- 自分の意志に裏付けが欲しい
- 解決方法を知りたい
- 方向性を定めていきたい
最初に訴える内容は核心の部分ではないことが殆どです。その核心に触れる前に話しやすい外見的状況や事実を話すことで終わってしまい、結論を出してしまいがちなのがhear(聞く)タイプです。
傾聴ではlisten(聴く)、
耳を傾け
目と心で聴く
ことを心がけていきます。
耳を傾ける
何かしながら聴くのではなく、相談者のために聴く時間をきちんとつくり、しっかりと耳を傾けます。30分なら30分と時間を決めて、相談者のために聴く時間と姿勢を用意します。環境が整うことで、相談者もきちんと話しをすることができ、核心を話していきやすい関係構築が生まれてきやすいのです。
苦手な人からの相談や、自分の経験値にない相談事をされて拒否感を感じた段階で、listenでなくhearになってしまっているかもしれません。
耳を傾ける姿勢を持つことは、どんなに苦手意識を持つ方からの相談でもhearでなくlistenに変えてくれます。
目で相手を見る
頷いていても、実際はそう思っていなかったり、少し考えが違っていたりすることもあります。それを相談者のしぐさや表情、声のトーン、雰囲気などの非言語の言葉を目で感じ取り、フィードバックしていきます。
結論ありきで相談を受けている時には、その表情を見過ごしてしまい、相談者は納得していない、悶々とした状態のままで終えることになります。
相談者→何も解決していない
聴いた側→結論だして解決した
大きなギャップが生じているので、結局またすぐ問題勃発してしまいます。
いつも目線合わせて話していたのに、目線を外して話すようになった…。そんな日常からもサインは出ています。言葉でない非言語の言葉のサインを見逃さないように心がけると、気持ちがわかるようになります
心で相手を見る
人は相談する場合、話しやすい状況・外見的事実から話すことが多いですが、その内側にある心理的な気持ちを理解して、それを言葉に返していくことが必要です。それが傾聴のポイント「感情の反映」です。心で相手の気持ちを見るには、大きくわけて3つあります。
- 知(考え)
- 情(気持ち)
- 意(意志)
この3つの言わない、言えないことを目と心で聴いて、言わない気持ちに気づき言葉にして返していくことが、感情の反映です。これができるようになれば、相談者は自分の気持ちに共感してくれていると思います。その共感は信用・信頼を生み、自然に心の内をひらいてくれるようになります。
傾聴するための聴く態度、是非心がけてみてください。全く同じ境遇や経験をしたことがない相談をされる場合がありますが、その場合わからないことも出てくると思います。同感する必要はありません。ただ、その気持ちに共感することで相談者の心が開いていきます。
ぜひ試してみてくださいね。
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