心理学者ジョセフ・ルフトとハリー・インガムが提唱した対人関係における気づきのグラフモデル「ジョハリの窓」を用いて、経営者とスタッフの関係性を考えていきます。スタッフの強みや特徴を活かしきれていない、または採用時に比べて期待値が下がってきたスタッフを抱えている経営者向けに、社内コミュニケーションのヒントとして。
ジョハリの窓とは
自分から見た自分の認識と、他人から見た自分の認識レベルを4つの窓に分類することによって、自己理解を深めていく手法です。

- 解放の窓・・・自分も他人も知っている自己
- 盲点の窓・・・自分は気づいていないが、他人は知っている自己
- 秘密の窓・・・自分は知っているが、他人は気づいていない自己
- 未知の窓・・・誰からもまだ知られていない自己
スタッフが活躍できる窓を拡げるには
これを、社内での関係に置き換えた場合は次のようになります。
1.解放の窓・・・スタッフも代表者も知っているスタッフの自己

普段見えている社内関係、仕事能力になります。表に見えているので判断がつきやすく、修正や改善があればオンタイムですることができる状態です。
2.盲点の窓・・・スタッフは気づいていないが、経営者は知っているスタッフの自己

仕事をする上でスタッフが気づかずにしているクセだったり、ごく自然に当たり前におこなう行動だったりするので、本人にはそれが特徴や欠点だと気づいていないのです。
経営者の方は是非褒めたり、その行動に感謝の気持ちを伝えてみてください。
「こんな当たり前にしていたことが、自分の強みの一つだったのだ!」と気づき、自信に繋がります。
3.秘密の窓・・・スタッフは知っているが、経営者は気づいていないスタッフの自己

スタッフ自身、力を出せるものを持ってはいるが、それを表に出していない状態を意味しています。その原因として
- 失敗したら嫌だと思っている
- そこまで求められていないので出さない
- スキルを発揮したいけれど、できると発言しても必要ないと言われると嫌だから
- トップダウン型の組織なので、発言できる機会が少ない
- なかなか発言しずらい環境なので、思っていても言わない
個人のキャリアも損ねていますし、企業のキャリアも損ねる状態、つまり社内体制強化のスピードが鈍化したり、せっかくの売上向上のための能力を活かしきれていない、ということが言えます。
この窓を狭めるためには、スタッフ本人の積極的な自己開示が必要です。また積極的な自己開示ができるような社内環境づくりと経営者からスタッフの声を聴く姿勢をきちんと持つことも大事ですね。
4.未知の窓・・・スタッフも経営者も知らないスタッフの自己

過去の経験や人間関係などにおいて、本来持っていた強みや特徴を、働いていく社会に順応していこうと自分自身も気づかないうちに隠して消してしまっている状態。
また、本来持っている強みの部分が過去の環境においては発揮できる機会がなく、上手く出し切れていない状態のことを指します。
今までやったことがない未知へのチャレンジが新しい強みを気づけることがあります。
解放の窓を拡げることで自発的に動けるスタッフが育つ

企業内キャリアカウンセリングでは、経営者、スタッフ共に解放の窓を拡げていくための面談をおこないます。
例えば、現在のスタッフの解放の窓が60%だったとき、その窓が拡がり、70%、80%の力を発揮できるようになると、自然と生産性も高まりますよね。
企業内キャリアコンサルティングでは、その解放の窓を拡げていくための支援をおこないます。
解放の窓が拡がることで得られること
- スタッフ一人ひとり活躍できる場が拡がる
- 経営者とスタッフ間での考えや価値観のギャップなどがなくなる
- スタッフがやる気になる、自信がつく
- スタッフ自ら考えて動けるようになり仕事の効率化も高くなる
- 企業発展・利益に繋がる
100%自分の力を発揮できている!そんなスタッフが集まっている会社は稀ですよね。100%でなくても60%から70%の力が発揮できるスタッフが5人もいると、その生産性は図りしれませんよね。
スタッフの強みを上げていく企業内キャリアコンサルティンング

現在の社内関係に、第3者のキャリアコンサルタントが加わることで、新たな関係性が生まれ社内の不安定だったバランスが整うことができます。また、これまでわからなかったスタッフの強みや特徴に気づくことにより、今後の考え方・動き方に変化が起きます。
またスタッフには個人の働き方とその人生、そして組織との係わり方について支援をおこなうことで、どう考え、何をすべきかが明確になるので、少しのストレスも楽しみながら仕事をこなしていくことができます。
- できるコト(can)、やりたいコト(will)に加えて、しなければいけないコト(must)と企業内における必要性と今後の可能性についての役割・使命感に気づくことができる
- 組織に必要とされる立ち位置に気づくことで、組織への帰属意識が高まり、組織に必要されているという自己認識、自己肯定感が高まり、それが自信へ繋がる
SOARistでは、スタッフの強みや特徴を活かしきれていないと感じている、または採用時に比べて期待値が下がってきたスタッフを抱えている経営者に、その期待値を上げていく企業内キャリアコンサルティング制度を提供しています。
スタッフを信じて採用し、未来を描いた経営者に是非知って頂きたい制度です。※企業内キャリアコンサルティング制度についてはコチラ
最後に
解放の窓を拡げていくことを心がけることで、企業キャリア(社内体制強化)×スタッフキャリア(個人の組織との係わり方)を共に育むことができます。社内体制を強める、深めるために、今いるスタッフの解放の窓が何%なのか、100%に持っていくにはどうすべきか考えてみませんか?
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