たった数秒の沈黙も耐えられない、先読みして結論づけてしまいがちな方に。なぜ、相手は相談をしに来ているのに沈黙になってしまうのか、その原因を探り、対応の仕方についてまとめています。キャリアコンサルタントの勉強をしている方だけではなく、部下からの悩み相談を聴く立場である上司やマネージャー・リーダーの方にも知ってもらいたい、沈黙になった場合の対応の仕方について。
あなたは沈黙になったとき、どのように対処していますか?
相談されているとき、なかなか話しが進展せず、沈黙になってしまう。相手が黙ってしまい何を考えているかわからない…、そんな経験ありますよね。そのとき、あなたはどう対応されていますか?
- 質問攻めになり何とか相手から答えを聞き出そうとする
- じっと黙って待っている
- 持論を展開し、とにかく自分から話しをしている
昔の私はどれもやっていました。営業の頃はよく相手から聞き出そうとしていましたし、相談ごとなどで沈黙されると、持論展開して自分のペースに持っていったり…。じっと黙って待っていることは5秒も耐えるのに必死でした。でも結局話しは進展しないので、自分で結論づけてしまう…、そんな状況の繰り返しでした。
結論づけたがりな人の特徴
仕事をしていると結論を持っていきたがる方は、
- それだけ早く解決したいという相手を気遣っている
- 他にもやることがあって時間が足りないという焦りを感じている
実際、私自身も
と本気で思っていました。でも傾聴の本質を知ることで、相手を気遣い先走って結論づけをしていたことは、実は相手を気遣っていたのではなく、自分が都合のいいように結論づけていたに過ぎないことに気づきました。それは話しを聴くという本質である傾聴ができていないから、結局本来の悩みは本人だけが抱え込んだままで何も解決できていなかったということです。
傾聴スキル「沈黙になった場合の対処の仕方」
傾聴とはコトバを耳で聴き、雰囲気やしぐさを目で見て、相手の言わんとすることをココロで感じて「聴く」こと。だから「沈黙」も傾聴の一つです。沈黙している時の相手の気持ちを考えてみましょう。
- これ言ったら怒られるかな
- どう表現したら伝わるかな
- どうしたらいいかわからなく、コトバが出てこない
- 何も考えることができず、コトバがみつからない
- 話してもわかってくれない、伝わらないと思っている
1~4については、相手は話したいけど上手く話せない、どう話しをしていこうかと考えている最中の沈黙サインです。このような時は相手が話しだすまで、向き合って待ってみましょう。どうしてもなかなか出てこない場合は、相手の言わんとしているココロを察知してこんな表現をしてみましょう。
「どう言ったらいいかわからないのですね」
「コトバにできない程一人で抱え込んでるんですね」
そうすると、自分が内に秘めているコトをわかってくれている!と安心してくれるので、話してくれやすくなりますよ。是非、相談ごとや指導の際に沈黙になったときに使ってみてください。
5については相手との信頼関係に溝があるので、本来の悩みを聴く前に信頼関係の構築が前提となります。傾聴をする上で一番大事な部分ですよね。
信頼構築できていない沈黙のサインは「謝る」
キャリコン勉強中の方はこの沈黙のサインにどう気づくかがとても重要です。その沈黙サインが信頼関係の構築ができていないから、とわかった時点でまず今までの経緯を謝る方が懸命です。ついつい質問してしまったり、自分から話し出したりしてしまいがちですが、それでは関係性をさらに悪化させてしまいます。
「何か気に障るようなことを言ってしまいましたでしょうか?申し訳ございません。改めて真摯にお話しを伺いたいので、お気持ちお話し頂けますか?」
こんなきちんと謝る真摯な態度が、信頼性を取り戻していくことがきっとできますよ。この真摯な言葉を投げかけることができるかどうかで、キャリアコンサルタントとしての基本的態度を見られています。自分から結論づけず、質問攻めをせず、まず謝りましょう。
最後に
常に相手の気持ちを考えて傾聴することを心がけましょう。自分都合の時間や間違っていることを認めたくないから謝れない…。これでは全く相手のことを考えていないことになりますよね。「常に相手と向き合う」本当にこれが大事です。
キャリアコンサルタントを勉強している方向けの記事ですが、社内面談や部下から相談されることが多い上司にもあてはまる内容です。上記の内容を参考にして声かけなど気を付けてもらうと、沈黙の先の答えが出てくるようになりますよ。
ぜひ一度参考にしてみてくださいね。
★社内面談のコツなどを知りたい方、面談の仕方についてご相談されたい方はコチラ
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