先日、鶴光太郎著書「性格スキルー人生を決める5つの能力」を読了しました。人間の個性や性格をあらわすものとして、様々なパーソナリティ理論が研究されています。その中で特定5因子モデルである「ビック・ファイブ」を題材にして、大人になってからも性格スキルを伸ばし、鍛えるために必要なことが書かれています。
大学生に対してキャリアカウンセリングをする機会がありますが、積極的、活動的な学生もいれば、消極的、人見知りをする学生など、顕著にあらわれています。一般的に人間の本質は幼少期の頃に決まると言われており、成長過程、家族環境が大きく影響します。ビッグ・ファイブの性格スキルは大人になってからでも、大学生からでも鍛え、変化することができるというこの本を読んで、私なりの感想と大学生活の在り方について、つぶやいてみました。
性格スキル ビック・ファイブとは
この本では、5つの能力 ビッグ・ファイブを以下であらわしています。
- 開放性・・・好奇心、創造力、審美眼
- 真面目さ・・・自己規律、粘り強さ、熟慮
- 外向性・・・積極性、社交性、明るさ
- 協調性・・・思いやり、やさしさ
- 精神的安定性・・・不安、いらいら、衝動が少ない
学歴や偏差値のような頭の良さ(認知スキル)だけではなく、テストでは測れない「性格スキル」が人生の成功に影響する、と最近の研究では言われているようです。実際、就職活動においても最終的には「人となり」で採用に至ることが多いですよね。
「大学生活でどのような経験をしてきたのか」
「失敗から何を学び、どのように挽回したのか」
どれだけ行動し経験を積むことで、様々な考えや価値観に触れ、成長することができたのか、経験行動値を知ることで、社会に出てからも同様の失敗や困難が起きたとき、どのように成果行動するかを判断するからです。
学歴などの頭の良さ(認知スキル)は、過去勉学に育んだ尊敬できるスペシャリストとして羨ましがられていましたが、そのような仕事領域はAIの進化で取って代わられてしまう日も近いと言われています。行政書士、会計士、税理士…、先生業といわれるデータ蓄積から導くものは、AI化にはかなわないことがでてきます。
今は、どれだけ考え、行動しているか、行動偏差値の時代です。その行動には性格スキルも伴います。だからこそ、性格スキルがのびることで、採用されやすい人材になる、とも言えます。
大学生活4年間は必要か否か
大学に行く必要はない、ムダな4年間を過ごすだけ、座ってただ聞いている講義に何の意味もない…、など大学不要論を唱えている方も多くいらっしゃいます。有名な脳科学者も否定派ですよね。私はこの脳科学者の方の考えは好きなので、よくSNSなどで情報を拾うことがありますが、大学の話しにおいては、ちょっと見解が違います。
私の場合、性格スキルを鍛えるための社会に出るまでの準備期間として必要な時間、と捉えています。
例えば幼少期の頃、家庭などの諸事情でやりたいこと、好奇心をおさえなければいけなかった開放性の性格スキルを伸ばしていくために、大学生活を上手に活用することができます。大学は高校までの決まりごとから解放され、教育現場でありながら、自由も手に入ります。その自由を上手く活用できる学生もいれば、自由を不自由に感じてしまう学生もいます。その理由は、それまでの生活環境で培った考え方・価値観からくる違いです。
決められたことに取り組むことには慣れていて、いつも周りから与えられる、自分から選んだりすることがない性格の学生もいます。大学の自由な環境が、選べない、ついていけない、自分だけ遅れをとっている気がする、そんな疎外感を感じてしまうこともあるかもしれません。
でも性格スキルを鍛えるための4年間として学生生活を捉えることで、今までかけていた自分の価値観・考えの色眼鏡をはずしてみる練習期間になります。色眼鏡をはずすことで、最初は良く見えなかったり、見え方の居心地の悪さに違和感を感じることもあります。でも日々慣れていくことで、今まで見えなかった世界がみえてくるようになり、その世界が当たり前な日々に変化していきます。
大学に進んだこと、選んだ先にムダなものなんて一つもなく、行動することでいつでも性格スキルを変えていくことができるのです。
性格スキルを伸ばし、自分の考えと行動に自信が持てる大学生活を送って、行動偏差値を高めれたらいいですね。性格スキルが伸びれば成績も良くなる、と著者も言っています。
性格スキルについてもっと知りたい方は、鶴光太郎著書「性格スキル」を読んでみてくださいね!
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